11月の初めくらいに家族で美ヶ原高原に行ったんですが、赤道儀を野辺山の民宿に置いたままでした。
なのでポータブル赤道儀とオールドレンズで星雲を撮る羽目になりました笑
自動導入も使えないなか、収差まみれのオールドレンズで撮影した写真の出来はどんな感じになったのでしょうか?
Contents
結果

Date: Nov 3, 2024
Location: @美ヶ原高原
Camera: ASI294MC Pro (Gain 120, -10℃)
Lens: Ai Nikkor 105mm F1.8S (FL 105mm, f4)
Mount: Vixen Polarie U
Guiding: None
Filter: None
Exposure: 1min x47 (47min)
Processing: PixInsight, BXT, NXT, SXT
今回の旅行は星景写真目当てで行ったので、天体写真はダメ元でした。
画像処理には苦労しましたがなんとか見れる形になってよかったです。
2時間くらい粘って120枚以上撮りましたが、ポータブル赤道儀の歩留まりが悪すぎて47枚しか使えませんでした。
望遠レンズをポータブル赤道儀で運用するのはリスクが高いですね。
サブ機としてなら活躍するかもしれません。
撮影枚数が減ってしまったのも痛いですが、オールドレンズのハロにも苦しめられました。
そこで今回はSXTを使い、星のハロを抑制しつつ別で星雲部分を強調しました。
最終的にはハロを抑えられたと思います。
そして、今回は2軸の微動雲台ではなく自動雲台で画角を合わせたので写真の角度がかなりずれてます。
画角内に星雲すべてを収められただけで精一杯でした。
これからポラリエUをサブ機にするなら、性能がよくて色収差が少ないレンズと微動雲台は必須ですね。
改造一眼レフを持っていない代わりにCMOSカメラを2台持っているので、いずれ ASI294MC Pro をサブ機として運用できるようにがんばりたいと思います。
あと、この写真をアノテーションしようとしたら座標解析ができないエラーが出ました。
代わりに主要な天体を拡大して紹介していこうと思います。
勾玉星雲 (IC405)

この写真の中で特に明るい星雲です。
勾玉のように巻いている形をしているので勾玉星雲と呼ばれています。
海外では Flaming Star Nebula (燃える星星雲)です。
派手な見た目とは裏腹にかなり淡く、今回のようにナローバンドに頼らずに撮ろうと思うと暗い場所で撮らないといけません。
ナローバンド撮影であれば都心からでも問題なく写りますが、代わりに中心の青紫色っぽい反射星雲(vdB34)が写らなくなります。
都会からでは限界がありますね。
ちなみに、勾玉星雲の拡大写真を野辺山で撮ってます。
おたまじゃくし星雲 (IC410)

これも野辺山で撮り直しました。
ですが見てみるとこの写真もそこまで悪くないなと思います。
青ハロが少しきついですけどね…
形がおたまじゃくしに似ているという理由でおたまじゃくし星雲と呼ばれています。
英語名でも Tadpole Nebula (おたまじゃくし星雲)と呼ばれています。
スパイダー星雲 (IC417)とハエ星雲 (NGC1931)

左のちっさいのがハエ星雲で、中心の赤い星雲がスパーダー星雲(IC417)です。
青ハロはさておき、美ヶ原で撮った分色がきれいに出てます。
この前横浜市内からスパイダー星雲を撮ったのですが満足行く出来にはなりませんでした。
かなり淡いらしく、まともに写したいなら暗い場所で撮るかナローバンドフィルターを使うしかなさそうです。
ときどきSHO合成をしている人を見かけます。
そして左のハエ星雲ですが、これはかなり小さい星雲です。
大きさがおよそ8′(8分角)なので銀河並みに小さいですね。
ここだけ拡大して撮ると面白いそうです。
「オリオン大星雲のミニチュア版」という異名すらあるらしいです。
ハエ星雲を撮影された方の写真を見たことがありますが、赤色と青色の星雲と複雑に絡み合う分子雲が綺麗だと思いました。
この写真でも赤い星雲に青っぽくて小さい星雲が隣にいる様子がわかります。
M36 (Pinwheel Cluster)

ハエ星雲のさらに左上にいる散開星団がメシエ天体のM36です。
この写真をクロップして拡大しただけなので画質も荒いです。
散開星団なのでまた今度自宅のベランダから撮ってみようと思います。
英語圏では Pinwheel Cluster (風車星団) と呼ばれているそうです。
どこが風車なのか全くわかりません。笑
M38 (Starfish Cluster)

最初の写真の中でスパイダー星雲の右上にいるのがメシエ天体のM38です。
こっちの星団は Starfish Cluster (ヒトデ星団) と呼ばれているらしいです。
どこがヒトデなんでしょうか…
名前の由来はさておき、これも拡大率が足りなさすぎるので自宅のベランダからリベンジしたいです。
今回の旅行は準備不足だったので、次に遠出するときは万全の体制で行きたいと思います。
では。




















