2025年11月5日の夜、今年最大のスーパームーンが夜空に輝きます。
「いつもより月が大きく見える気がする…?」と思ったら、それは気のせいではありません。
この記事では
- 2025年11月5日のスーパームーンがなぜ特別なのか
- 何時にどの方角に見えるのか
- どこらへんの軌道を通るのか
- どこで見ればいいのか
- 観察のコツ
まで、わかりやすく詳しく解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
Contents
スーパームーンとは?
「スーパームーン」とはその年で最も大きく見える満月のことを指します。
月は地球のまわりを円形ではなく少し歪んだ楕円軌道で回っているので、1ヶ月のうちでも地球に近づいたり遠ざかったりしています。
地球に最も近づく点を「近地点」、最も遠ざかる点を「遠地点」と呼びます。
近地点のときには月と地球の距離は約35.7万kmほど、遠地点では約40.6万kmに達します。
つまり、同じ満月でも時期によって見かけの大きさが約14%、明るさにして約30%も変わることがあるのです。
このうち「満月」と「近地点通過」がほぼ同じタイミングで起こると、見かけ上は月が通常よりも大きく、明るく輝いて見える現象になります。
これが一般的に「スーパームーン」と呼ばれるものです。
天文学上の厳密な定義は存在しませんが、メディアや観測者のあいだでは「地球からの距離が最も近い満月」という意味で広く使われています。
この記事でもその立場を採用し、スーパームーンとはその年で最も地球に近く、もっとも大きく見える満月であると定義します。
一方で、ニュースやSNSでは「スーパームーンが4連続で見える」といった話題を目にすることがありますよね。
これは定義の違いによるものです。
一部の定義では「満月が地球からある一定の距離以内(たとえば36万km以内)で起こる場合」をスーパームーンと呼ぶことがあり、この条件に当てはまる満月が4回連続で訪れることもあります。
しかし私のサイトではよりシンプルで直感的な理解を重視し、「スーパームーンは年に一度だけ」つまりその年で最も大きく見える満月としています。
満月自体は毎月訪れますがそのなかで最も近く、最も明るく、最も存在感のある満月がスーパームーンです。
肉眼では微妙な違いに見えても、写真や望遠鏡を通すとその差は明確にわかります。
月の縁がよりくっきりと見え、地表のクレーターや「月の海」と呼ばれる平原部分のコントラストも際立ちます。
スーパームーンは周囲の風景を照らす光も強く、月明かりだけで街中が照らされるほどになるでしょう。
つまりスーパームーンとはいつもと同じ満月ではなく、「一年のうちで最も大きく、最も輝く特別な満月」を指す言葉なのです。
この夜を逃すと、同じレベルの満月に出会えるのは約1年後です。
だからこそ星空ファンにとっては見逃せないイベントとなっています。
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2025年11月5日の満月は?
2025年11月5日の満月について情報を見てみましょう。
まず、満月となる正確な時刻は日本時間で22時19分ごろです。
そしてそのおよそ9時間後、翌朝の11月6日7時27分ごろに月が地球に最も近づきます。
この2つのタイミングがほぼ重なることで2025年の中で最も地球に接近する満月、つまり「2025年最大のスーパームーン」が生まれるのです。
このときの地球と月の距離は約356,800kmほど。
ふだんの満月(約384,000km前後)と比べると、なんと約2万kmも近い位置にあります。
この距離の違いによってスーパームーンの見かけの大きさは遠地点に近いミニ満月に比べておよそ14%大きく、約30%も明るくなると言われています。
写真で比べるとその差は一目瞭然です。
スーパームーンは普段の満月よりも輪郭がくっきりし、月面の模様がより立体的に浮かび上がります。
角度で表すと、この日の満月の視直径は約0.557°です。
これは遠地点の満月(約0.490°)と比べて明らかに大きな数値です。
肉眼では微妙な差に見えるかもしれませんが、写真に撮って並べると「これぞスーパームーン!」と感じられると思います。
月の出と月の入と南中の時刻
「何時から満月が見えるんだろう?」
「何時が見頃なんだろう?」
「何時に沈むんだろう?」
そんな疑問に答えるために、場所ごとに月の出と月の入と南中の時刻をまとめた表を作りました。
ぜひ参考にしてみてください。
日付は11/5の午後から11/6の午前です。
場所 | 月の出 | 南中 | 月の入 |
---|---|---|---|
札幌 | 15:48 | 23:15 | 6:58 |
仙台 | 16:01 | 23:17 | 6:46 |
東京 | 16:12 | 23:22 | 6:43 |
長野 | 16:16 | 23:28 | 6:53 |
金沢 | 16:22 | 23:35 | 6:59 |
名古屋 | 16:24 | 23:33 | 6:54 |
大阪 | 16:31 | 23:39 | 6:59 |
広島 | 16:44 | 23:52 | 7:11 |
松山 | 16:44 | 23:51 | 7:08 |
福岡 | 16:54 | 0:01 | 7:17 |
那覇 | 17:19 | 0:12 | 7:12 |
このように、今回の満月は一晩中見ることができます。
一番高く上がるのは23時から0時あたりです。
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スーパームーンの見え方 (東京基準)
ここからは実際の月の動きを星図で解説していきます。
使ったのは星図アプリ Sky Guide です。
基準点は東京としましたが、他の地点でも高さが違うだけで大体は同じです。
11/5/18:00

11月5日、18時ごろからすでに東の空に満月が見えるでしょう。
冬の月は高度が高く、空高くの軌道を通るのが特徴的です。
11/5/19:00

19時になると月が東の空高くに上がってきます。
スーパームーンは明るいので見失うことはまずないと思います。
11/5/20:00

20時になるとさらに高度が上がり、東と南東の間に来るようになります。
この頃になると空全体を強く照らすようになるでしょう。
11/5/21:00

21時になるとさらに月の高度があがります。
方角は東と南東の間あたりです。
11/5/22:00

22時になると高度はさらにあがります。
方角は南東です。
11/5/23:00

23時になると月は南の方角に来ます。
最も高く上がる時刻を南中時刻といいますが、東京だと23:22ごろです。
それ以外の地点の南中時刻はさっきの表にまとめました。
11/6/0:00

日付が過ぎても月はまだ空高くにいます。
方角は南です。
11/6/1:00

1時になると徐々に月が下がってきます。
このときの方角は南西と西の間です。
11/6/2:00

2時になると月はさらに下がってきます。
方角は西寄りになってきます。
11/6/3:00

3時になると月はさらに下がります。
方角は西のほうになるでしょう。
11/6/4:00

4時になると月は地平線に近くなっていきます。
方角は西です。
11/6/5:00

5時になると月は地平線の近くにきます。
方角は西と北西の間です。
観察のポイント
ここからはスーパームーンを観察するポイントを書いていきます。
双眼鏡があると見やすい
スーパームーンをじっくり観察するなら、肉眼だけでなく双眼鏡を使うのがおすすめです。
望遠鏡はセットが地味に大変ですが、双眼鏡なら手に持つだけで使えます。
さらに、双眼鏡だと両目で見れるので月の立体感を楽しむことができるんです。
ポロプリズム式双眼鏡だと特に立体感が強いです。
夜空のなかにぽっかり浮かぶ月面の模様が、まるで地図のように浮かび上がります。
特に8倍から10倍程度の明るい双眼鏡が最適です。
倍率が高すぎると手ブレが目立ちますが、このクラスなら手持ちでも十分安定して見られます。
月の東西をまたぐように広い範囲を一度に見渡せるため、肉眼とはまったく違う立体感や陰影のグラデーションを感じられるでしょう。
視野いっぱいに広がるスーパームーンはまるで写真のような迫力です。
私も双眼鏡で満月を見たことがありますが、肉眼とは全く違う立体感に驚きました。
ぜひ味わってみてほしいです。
また、双眼鏡を使うと月の周囲の空気のゆらぎや光のにじみもよく分かります。
これは大気の乱れによるもので、夜の気温が下がり安定してくるほど揺らぎが減り、クレーターの縁がシャープに見えるようになります。
観察する時間帯は深夜帯のほうが落ち着いた像を得られることが多いです。
東の空から昇ってきた直後は幻想的ですが、低空では空気の層が厚く少し揺れて見える場合があります。
双眼鏡をのぞくときは焦点リングを慎重に合わせてください。
少しずれると像がぼやけ、月の模様が不明瞭になります。
「月だとピントが合わせにくい」という場合は、明るい星に向かってピントを合わせるのがやりやすいでしょう。
星が最も小さく見えるのがピントが合っているサインです。
また、観察中は満月の光が意外に強いので長時間見続けると目が疲れることもあります。
5分ほど観察したら少し休憩を入れるといいですね。
私のおすすめは口径が大きくて明るく、ポロプリズム式で立体感が強いこの双眼鏡です↓
詳しくは商品ページを見てみてください。
この記事でも解説しています。
他の星は見えづらくなる
スーパームーンの夜は、空全体が驚くほど明るくなります。
満月は太陽光をほぼそのまま反射しているため実際には-12等級ほどの明るさがあり、都心部の明かりに匹敵するほどの光を夜空に放っています。
明るさの等級は数値が小さいほど明るいことを示します。
参考までに、最も明るい惑星の金星でも最大で-4.7等級です。
そのため満月の周囲では星々の光がかき消され、肉眼で見える星の数がぐっと減ってしまうのです。
普段の新月期には、空の暗い場所なら肉眼で6等星(非常に暗い星)まで見ることができます。
しかし満月の夜になると空の明るさが急激に上がり、見えるのはせいぜい3等星に限られます。
つまり、夜空に瞬く星々のうち9割以上は月の光に埋もれてしまうのです。
スーパームーンのように特に明るい満月では、さらにその傾向が強くなります。
特に影響を受けるのは月の近くの星座や天の川です。
たとえば11月上旬の夜空ではおうし座やオリオン座が東の空に姿を見せ始める時期ですが、スーパームーンの光が強いとオリオン座でさえやや淡く感じられます。
また、満月の夜には天の川の帯がまったく見えなくなります。
なので星空観察には全く向いていない日なんですね。
とはいえ、スーパームーンの夜には別の楽しみ方があります。
たとえば、月の光に照らされた風景や雲の表情を観察してみてください。
木々の影が地面にくっきりと伸びたり山の稜線が銀色に縁取られたりと、普段の新月期では味わえない幻想的な風景が広がります。
また、月明かりが強いので星空撮影用の長時間露光が不要になり、スマホの夜景モードや短時間露光でも美しい風景写真が撮れるでしょう。
つまり、スーパームーンの夜は星が見えない夜ではなく月が夜空の主役になる夜です。
星たちは月の光で隠れ、月だけが圧倒的な存在感を放つ。
そんな夜になるでしょう。
最後に
今回は2025年11月5日のスーパームーンについて解説しました。
この日は2025年で最も大きな満月が見られる日です。
スーパームーンは都会でも簡単に見えるので、田舎に出かけに行く必要はありません。
双眼鏡を手に持って月を観察するだけで非日常体験を味わえるはずです。
では。
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