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Ai Zoom Nikkor 35-200mm F3.5-4.5S の作例と実写レビュー

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オールドレンズ沼にハマりました。

オールドレンズのいいところは、激安なのにそれなりにいい画質の写真が撮れるところです。

要らなくなったらまた別のコレクターが買ってくれるのもいいです。

今回紹介する Ai Zoom Nikkor 35-200mm F3.5-4.5S は5000円くらいで買いました。

5000円のレンズでどんな写真が撮れるのか見てみましょう。

外観と使い方

Nikon Z6II にマウントアダプターを介してつけるとこんな感じです。

かなり細長いレンズです。

これは35mmのときで、ズームして引き伸ばすとこんな感じになります。

これは200mmのときです。

ズームの方法は実にアナログで、リングを回すのではなく手でレンズを引っ張ります。

ピントを合わせるときは一番前のフォーカスリングを回します。

前から2番目の謎のリングはマクロに切り替えるリングで、銀色のボタンを押し込むと回るようになります。

Mの方に回すとマクロ寄りになり、近い被写体にもピントが合うようになります。

最後のリングは絞り調整リングです。

f3.5(200mmのときはf4.5)からf22までを選べます。

絞り羽根は7枚で、カクカクしたボケになります。

電子接点はなく、AFも効きません。

リングがたくさんあって面白いレンズですね。

忍者屋敷のからくりみたいなレンズです。

それでは実際の作例を見ていきましょう。

実際の作例

これから紹介する作例はすべて Nikon Z6II にマウントアダプターを介して Ai Zoom Nikkor 35-200mm F3.5-4.5S をつけて撮ったものです。

ただ、このレンズには電子接点がないので焦点距離やf値が記録されません。

うろ覚えですがご了承ください。

星景写真

35mm, f3.5, 10s, ISO 1600

これは紫金山-アトラス彗星を撮った時の写真です。

左の金星でピントを合わせたところ、真ん中の星に穴が空いてしまいました。

このレンズは周辺の収差がひどいですね。

f値を絞れない夜景や星景写真には完全に不向きです。

ただ、紫金山-アトラス彗星は肉眼でもはっきり見れたのでいい思い出になりました。

200mm, f4.5, 5s, ISO 3200

これも紫金山-アトラス彗星です。

家にNikonのZの望遠レンズがひとつもなく彗星撮影を諦めていたのですが、なんとか捉えることはできました。

これは星が少ないので収差はそこまで目立っていないです。

200mm, f4.5, 30s, ISO 400

これはポータブル赤道儀に Nikon Z6II を載せて天の川を撮影したものです。

星の周りに起きやすい紫色の色収差は目立ちませんが、周辺部のコマ収差がひどいです。

左下を拡大してみましょう。

このように、周辺部の星が矢印みたいな形になってしまう現象をコマ収差と呼びます。

これがあるせいで星景写真や天体写真には使えないです。

また、そもそもズームレンズなので星の鋭さが弱くふわっとした感じです。

絞れば改善するのですが、その分暗くなりノイズが増えてしまいます。

星には使わないほうがいいでしょう。

というより、星に使えるオールドレンズは本当に少ないと思います。

大人しく最新のレンズを買いましょう。

野鳥

200mm, f4.5, 1/5000 s, ISO 800

f値は開放です。

普段私は星の撮影が専門で野鳥は撮らないのですが、散歩してて運良く撮れた写真がこれです。

5000円のレンズでこれはなかなかすごいです。

まあベテランの人からすれば笑われるかもしれませんが笑

拡大するとこんな感じです。

200mm, f4.5, 1/4000 s, ISO 800

これも拡大するとこんな感じです。

オールドレンズでこれはなかなか撮れないです。

かなり運がよかったです。

昆虫

*昆虫が苦手な方は次のページに飛んでください

200mm, f4.5, 1/1250 s, ISO 400

これもf値開放でミツバチとネモフィラを撮ったものです。

ミツバチを拡大してみましょう。

f値開放ですがおかしな収差はないですね。

両脚に花粉団子をつけている様子がわかります。

200mm, f4.5, 1/2500 s, ISO 400

これは蜜を吸っているクマバチです。

f値が小さいほうがボケ方が綺麗ですが、ピント合わせの難易度がぐっと上がります。

拡大してみましょう。

微妙にピントを外したせいか、そこまで解像していません。

このレンズに解像を求めるならf8くらいで使うのがいいと思います。

それか最新のレンズを買ってください笑

200mm, f5.6, 1/8000 s, ISO 1600

地面で休んでいたシオカラトンボです。

かなり接近して撮影できました。

f5.6に絞ったので解像度も少し上がったと思います。

拡大してみましょう。

複眼や羽の模様も解像していて綺麗ですね。

使い方次第では活躍してくれるレンズなのかもしれません。

5000円でこれはなかなかコスパがいいです。

他にも、花火大会のとき取った写真はこちらにあげました。

個人的な感想

ここからは私が実際に使ってみての感想を書いていきます。

すべての人に当てはまるわけではありません。

ズームの意味ある?

まず、Ai Zoom Nikkor 35-200mm F3.5-4.5S はズームレンズですがほとんど200mmしか使いませんでした。

なんででしょうか。

たぶん私は最初に使ったレンズが単焦点だったので、ズームするよりも構図を固定する癖があるのだと思います。

鳥や虫を撮るのが好きなので200mmばかり使うことになりました。

ただ、使ってみると200mmでは物足りない場面も出てきました。

望遠レンズではたぶん400mmが一番扱いやすいと思います。

すでに持っている Sigma 400mm F5.6 mirror はリングボケがうざいので最近はあまり使っていません。

400mmの屈折レンズを探し中です。

ただ、ポートレートで使いたい人にはズームレンズはありがたいかもしれません。

私の目的にはあまり合いませんでした。

暗い場所には不向き

夜景や星景、水族館など暗い場所では明るい単焦点レンズに敵いません。

開放がf3.5(200mmではf4.5)はかなりつらいです。

40mm, 85mm, 105mmや135mmあたりだと様々な単焦点レンズがあるので、このレンズをあえて積極的に使う理由はないかもしれません。

私が持っている中に Ai Nikkor 105mm F1.8S があります。

ただ、これも色収差がひどいので天体写真には使えません笑

天体写真は一番シビアなジャンルだと思います。

マクロ機構が面白い

このレンズの最大の特徴はマクロ切り替えリングでしょう。

これがあるおかげでかなり近くまで撮影できます。

トンボのときもかなり近くで撮影できました。

ただ、マクロ撮影をしたい人はマクロレンズを買うのが一番近道でしょう。

目的に合わせてレンズを買うのが一番いいと思います。

結論:激安価格の割には素晴らしい性能

コマ収差やピントの甘さなど様々な課題はありますが、5000円で入手したことを思えば素晴らしい性能です。

最近は物価の高騰が激しく、レンズにお金をかけられないという人も多いのではないでしょうか。

そういう人こそオールドレンズを試してみてください。

きっとあなたもオールドレンズの魅力に沼るはずです。

では。

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