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Ai Nikkor 105mm F1.8S 普段使いから星景写真までを実写レビュー

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オールドレンズの沼にハマってしまいました。

Nikon Z6 II にFTZのマウントアダプターをかませて格安オールドレンズで撮影する日々です。

純正レンズは高いので > <

さて、今回は中古で手に入れた Ai Nikkor 105mm F1.8S の実写レビューをしていきたいと思います。

実写画像だけ見たい方は目次で飛んでください。

Ai Nikkor 105mm F1.8S とは

Nikon公式のこの記事によれば、このレンズは1981年9月に発売されたもののようです。

基本的なスペックはここに書いてあります。

Nikon Z6 II につけるとこんな感じです。

意外とコンパクトですね。拡大してみましょう。

ピントと絞り機構はすべて手動です。

f値は1.8から22まで選べます。

フードが内蔵されていて引き出し可能です。

前面に62mmサイズのフィルターの取り付けもできます。

f1.8(開放)のときは絞り羽根の姿は見えません。

f22のときの絞り羽根はこんな感じです。

こちらがFマウントの部分です。

昔のレンズなので当然電子接点がありません。

それではお待ちかねの実写レビューといきましょう。

実写画像

これから紹介する画像は Nikon Z6 II にマウントアダプターをかませて撮ったものです。

すべてレタッチなどの画像処理を一切していないものとなります。

F 1.8, SS 1/640 s, ISO 100

まずはこれですが、玉ボケの周囲に緑色の色収差がでてますね。

ピントが合っている部分に収差はありませんが、ピントを外れると開放では特に色収差が出てしまいます。

これをオールドレンズの味ととるか、レンズの欠陥ととるかは人それぞれの価値観です。

私はこういうのも好きだったりします。

次に夜の玉ボケはどうでしょうか。

F 1.8, 1/500 s, ISO 3200

やっぱり玉ボケの周囲に色収差がでていますね。

このレンズを使うときはこういうものだと思っておいたほうがいいでしょう。

ですがボケの形は真円に近く、現代の高性能レンズに引けを取りません。

F 1.8, 1/20 s, ISO 3200

f値開放では像がぼやけて解像力が低いです。

ですがf1.8ならではのきれいなぼけが楽しめることに違いはありません。

次にf8での風景写真です。

F 8, SS 1/1000 s, ISO 400

いい感じですね。

これくらいのf値ならピントに神経質にならずに済みます。

さて、問題は星空です。

このブログも星空撮影のブログである以上、このレンズできれいな星空が撮れるかどうかは最重要事項です。

見てみましょう。

F 8, 10s, ISO12800

これはRAWの撮って出しなのでレタッチ後をお見せしましょう。

いいですね。

一枚撮影でこれだけ解像してくれればスタックしがいがあります。

とはいえf8なのでめっちゃ暗いですが笑笑

残念ながらその日は私の気が変わってしまい、スタックせずにアンドロメダ銀河の撮影に移ってしまいました。

ところで、ピントを少しでも外すと大変なことになります。

F 8, 30s, ISO 12800

これはRAWの撮って出し画像です。少しレベル調整したものをお見せしましょう。

f8にもかかわらず色収差がすごいです。

残念ながらこうなってしまうと終わりです。

撮影の際は必ず一枚撮って色収差がでていないか確認する癖をつけましょう。

ところで、このような苦労をしたくない方は現在では低いf値にもかかわらず収差を極限まで抑えた高性能レンズがたくさん販売されているので、そちらを使用するのをおすすめします。

もしくはこれから天体メインで撮影されていくのであれば、天体望遠鏡と冷却CMOSカメラを買うのがおすすめです。

(参考までに私が撮影したアイリス星雲はこちら↓)

いいところと悪いところ

このレンズのいいところと悪いところを挙げてみます。

<いいところ>

・安い

とにかく安いです。メルカリやヤフオクで数万円で買えます。

今どきの105mmで開放f値f1.8のスペックのレンズを買うと平気で数十万いきます。

NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S で約14万円、NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena で約40万円です。

はぁ…高い笑

お金がある人は迷わずAFと手ぶれ補正があり、収差が抑えられている高性能レンズを買いましょう。

お金があってもそこまで出したくない、まずは試してみたいという人は買ってみるといいかもしれません。

・コンパクト

とにかく小さくて軽いです。

Plenaなんてほぼ1kgありますからね。こっちは580gです。

ですがマウントアダプターをつけたらそれも台無しですが…笑

・(f値開放で)解像感が低いのが逆にいい

このレンズはf1.8だと解像力が低いと言いましたが、逆にそれがエモい雰囲気を生み出したりしてくれます。

・f値で一気に作風が変わる

絞りを開くとふんわりした雰囲気に、絞ると一気にシャープな雰囲気に変わります。

絞りを操って作風の幅を広げられるのはこのレンズならではです。

<悪いところ>

・色収差が出る

一番の欠点は色収差でしょう。

ピントが合っている部分に収差は見られませんが、ピントを少し外れると色収差がでてきます。

ボケの周りの色収差が嫌いという人はこのレンズはやめたほうがいいでしょう。

・AFがない

AFに慣れている人にしてみれば、いちいちファインダーを拡大してピントを合わせるという作業はただの苦痛です。

一生に一回の大事な行事で使うにはおすすめできません。

・手ぶれ補正がない

当然ながら手ぶれ補正もありません。

大体私はシャッタースピードを1/100秒以下にして使用してます。

それ以外は三脚必須ですね。

・最短撮影距離が長い

最短撮影距離が1mなので案外長いです。

対してPlenaは0.82mなのでPlenaの勝利と言えるでしょう。

NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S に至っては0.29mです。

Fマウントに直接レンズを付ける方は気にしなくていいのですが、今回のようにマウントアダプターを介して接続するとなるとその分だけピント位置がずれます。

そのため近くに被写体があるときピントが合わせづらいという現象が起きました。

無限遠に関しては全く問題なくピントが合います。

最後に

オールドレンズなんて安物買いの銭失いだと笑われるかもしれません。

ですがオールドレンズには安いだけではない魅力があります。

それは言葉では表現できないものなのかもしれません。

私はこのレンズと出会ってよかったなと思っています。

もしよければ中古市場で探してみてはいかがでしょうか。

では。

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