8月ですがすっかり秋の星座が見える季節となりました。
秋の星座の中で特に目を引く銀河がちょうこくしつ座銀河(NGC253)です。
細長い棒のような形をしていますが、細部まで見える非常に美しい銀河です。
ですがここで1つ問題があります。
ちょうこくしつ座銀河はとにかく低いのです。
南中時点で29度までしか上がらないのでアンタレス並みの低さです。
低空にあると大気の影響を受けやすく、光害やシーイングの影響をもろに受けます。
標高の高い山奥で撮るのが理想です。
ですが大学生の私はしょっちゅう遠征に行くわけにもいかず、リモート観測所も持っていないのでどうしようもありません。
仕方なくSQM18.60の家のベランダから撮ることにしました。
ちなみに野辺山のSQMは21.60です。
結果

Camera: ASI294MC Pro
Telescope: Takahashi FC-76DCU + 1.04x flattener (FL 592mm, f7.8)
Mount: Kenko SEII-J
Guiding: SV165, ASI120MM mini, ASIair
Filter: Optolong L-Quad Enhance
Exposure: 3min x 66
Gain: 120
Temperature: 0℃
Processing: PixInsight, Crop
今回はフラット補正に失敗しました。
フラット画像を撮っている最中にゴミが紛れ込んだためか画像に大きな穴が出現し銀河に直撃してました。
それをごまかすためマスクを多用しなんとか見れるようにしたのが上の写真です。
今回は L-Quad Enhance の検証のために写真を撮ったのですが、かぶりはかなり抑えられていました。
撮影開始時点で銀河が18度にいたことを考えれば、かなりがんばってくれたと思います。
私がいる横浜市内では0時を過ぎても光害は全く衰えず、低空は常にオレンジ色や黄色っぽく光っています。
フィルターなしで低空を撮ると大変なことになります。
Gain120で3分もしないうちに白くなってしまうくらいです。
本当なら星の光の一部が失われるため光害カットフィルターは使いたくないのですが都会では仕方ありません。
やっぱり暗い場所まで遠征して撮るのが一番ですね笑
では。