冬になるとオリオン大星雲や馬頭星雲にばかり注目が集まります。
もちろんオリオン大星雲も馬頭星雲も素晴らしいのですが、冬にもあまり知られていない系外銀河がたくさん見れます。
今日はその中でもエリダヌス座の銀河団、Abell496を紹介します。
結果

Date: Dec 17, 2024
Location: @横浜市 (SQM 18.60)
Camera: ASI533MC Pro (Gain 100, -10℃)
Telescope: Takahashi FC-76DCU + 1.04x flattener (FL 592mm, f7.8)
Mount: Kenko SEII-J
Guiding: SVBony SV 165 (FL 120mm, f4), ASI120MM mini, ASIair Plus
Filter: Optolong L-Quad Enhance
Exposure: 2min x93 (186min)
Processing: PixInsight, NXT
FWHM: 3.7584
見づらいかもしれませんが、写野全体に系外銀河が散りばめられています。
ESOによるとAbell496の地球からの距離はおよそ4.5億光年と見積もられています。
銀河団としてはわりと近いほうですが、それでも遥か彼方に位置していることに変わりはありません。
4.5億年間旅をしてきた光子が地球までたどり着いてこうして写真に映し出されると考えると、宇宙の果てしないスケール感を感じているようで不思議な感覚になります。
アノテーションしてみましょう。

こうしてみると銀河の分布がわかりやすいです。
左下の特に大きい銀河はPGC15524 (MCG 2-12-39) で、見かけのサイズは 2.1′ x1.7′ ほどあります。
4.5億光年先の天体としては異常な大きさです。
調べてみたら強力なX線も観測されているみたいで、いくつか論文もありました。
巨大な銀河団は銀河間が超高温のガスで満たされていることがあり、強力なエネルギーがX線となって観測されることがあるそうです。
銀河団とX線は関連がありそうですね。
あと、右上にちょこんとIC380銀河が写っています。
Go Astronomy によると赤方偏移は z=0.017152 なので地球からの距離は2億光年ちょっとでしょうか。
Abell496とは関連がないかもしれませんね。
IC天体のくせに見かけの大きさが 0.76′ x0.46′ なんて惑星状星雲並みです。
知名度は全くないでしょう。
今回たまたま一緒に写ったので載せました。

2分露光の撮って出しです。
光害地で撮ったので、撮って出しの時点ではノイズに埋もれて何がなんだかわかりません。
スタックすることで初めて姿を浮き上がらせることができました。
これからも色々な銀河団を撮っていきたいと思いました。
では。