しし座の季節がやってきました。
7月23日から8月22日までの間に生まれた人がしし座だそうですが、実際はその反対の季節にしし座を見ることができます。
6ヶ月ずらすと、1月23日から2月22日までがしし座の見頃ということができるかもしれません。
しし座と太陽が重なるのが7月23日から8月22日までで、実際、その期間には太陽が邪魔でしし座の星々を見ることができません。
半年経って太陽が反対方向に来たとき、しし座が見頃になるというわけです。
そんな話はさておき、今日はしし座最大の銀河団であるしし座銀河団(Abell1367)を紹介します。
結果

Date: Dec 27 in 2024
Location: @横浜市内の自宅ベランダ (SQM 18.60)
Camera: ASI533MC Pro (Gain 100, -10℃)
Telescope: Takahashi FC-76DCU + 1.04x flattener (FL 592mm, f7.8)
Mount: Kenko SEII-J
Guiding: SVBony SV165 (FL 120mm, f4), ASI120MM mini, ASIair Plus
Filter: Optolong L-Quad Enhance
Exposure: 3min x35 (105min)
Processing: PixInsight, drizzle 2x, NXT
FWHM: 4.9396
大小さまざまな銀河が寄り集まっていてフォトジェニックですね。
いつも米粒のような銀河団ばかり撮影しているので久しぶりに感動しました。
撮影日が12/27になってますが、撮って画像処理したことを忘れて放置してました。笑
今思い出した放置作品もたくさんあるのでどんどんブログに上げていこうと思います。
まずは銀河団の情報を見ていきましょう。
Abell1367の地球からの距離は3.3億光年(赤方偏移 z=0.022)で、直径はおよそ600万光年らしいです。
見かけのサイズも1°ほどなのでさほど大きくはありません。
ちなみにおとめ座銀河団の見かけのサイズは8°ほどです。
なので知名度はあまりなく、寂しい思いをしている銀河団でもあります。
ですがこの銀河団は渦巻銀河の割合が高いことで知られていて、ヘルクレス銀河団と同じく比較的若い銀河団なのではないかと見られています。
渦巻銀河は他の銀河と衝突したり、重力を受けることにより渦巻構造が壊れ楕円銀河へと進化していくと考えられているからです。
なので写真写りがいい銀河団ということもできます。
大きな望遠鏡を持っている人は一度撮ってみてください。
アノテーションしてみましょう。

数えただけでも19個のNGC/IC天体がいますね。
NGC天体は NGC3837, NGC3840, NGC3841, NGC3842, NGC3844, NGC3845, NGC3851, NGC3857, NGC3859, NGC3860, NGC3861, NGC3862, NGC3864, NGC3867, NGC3868, NGC3873, NGC3875 の17個がいます。
IC天体はIC2951とIC2955の2個です。
中でも最も明るい銀河はNGC3842で、見かけの等級は+12.7程度です。
NGC3842の中心にある超大質量ブラックホールは今まで知られている中で最も重いブラックホールのひとつだとされています。
質量は太陽質量のおよそ97億倍と見積もられているそうです。
M87の中心の超大質量ブラックホールM87*でも太陽質量の60億倍くらいなので、NGC3842のブラックホールがいかに重いかがわかりますね。
超大質量ブラックホールの観測から新たな素粒子やダークマターの謎を解く鍵が見つかったりするかもしれません。
今後の研究に期待です。
今回の撮って出し画像はこちらです。

3分露光なのでノイズに埋もれて何がなんだかわからないですね。
スタックの威力を感じます。
では。


















