「天の川って、山奥じゃないと見えないんでしょ?」
そう思っている方に朗報です。
実は、都心から90分ほどの距離にある神奈川県の城ヶ島(じょうがしま)でも条件がそろえば天の川を見ることができます。
この記事では実際に私が城ヶ島で天の川を見た経験をもとに、アクセス・観察条件・おすすめポイント・注意点まで詳しく解説していきます。
ぜひ最後まで読んでみてください。
Contents
城ヶ島ってどこにあるの?
そもそも、城ヶ島ってどこにあるのでしょうか?
城ヶ島は神奈川県三浦市の南端に位置する、相模湾に突き出た小さな島です。
Google Earth でいうとここらへんです。


東京湾の出口の三浦半島の最南端にあたり、関東に住んでいる方にとってはアクセスしやすい場所といえるでしょう。
地図で見るとちょうど横須賀市の南側にある三浦海岸や三崎漁港のさらに先、海に囲まれた細長い島が見つかるはずです。
本州とは城ヶ島大橋という橋でつながっていて、車でもバスでも簡単に渡ることができます。
都心からは車で約90分程度。
電車とバスを使った公共交通でも日帰り可能な距離でありながら、驚くほど自然が残っているのが特徴です。
島の面積はコンパクトですが、周囲をぐるりと歩ける遊歩道が整備されていて灯台や奇岩、磯遊びの名所など見どころがたくさんあります。
特に有名なのは馬の背洞門というスポットです。
私は中学生の時行ったっきりで写真を撮ったことはありませんが、岩が削れて輪っかみたいになってる場所です。
インスタでも「映える」と度々話題になってます。
馬の背洞門から天の川を撮る人もいて、綺麗なので興味があったら行ってみてください。
城ヶ島へのアクセスのしかた
城ヶ島へのアクセスのしかたは色々ありますが、主に車と公共交通機関の2つに分けられます。
車の場合
車の場合、丸の内からは90分ほどで城ヶ島に行けます。

国道16号の衣笠ICまで行き、そこから三浦縦貫道路を通って国道134号線に入るのが一番早いです。
三浦縦貫道路は有料で、ETCが使えません。
人が立っていて現金かSuica, Pasmoで支払うことになります。
早くETC化してほしいですね > <
詳しい情報はこちらに載っています。
公共交通機関の場合
公共交通機関の場合、京急線で三崎口駅まで行ってバスで城ヶ島に向かうことになります。
大きな荷物を持っていく場合は不向きですが、ふらっと行きたい場合はありだと思います。
詳しいことは調べてみてください。
本当に天の川が見れるの?
ここで重要なのが空の暗さですね。
「神奈川県内で天の川なんて、本当に見えるの?」と疑う方も多いかもしれません。
確かに、天の川といえば山梨や長野の山奥、あるいは北海道や沖縄の離島のような特別な場所でしか見られないと思いがちです。
ですが実際のところ、城ヶ島では条件さえ整えば肉眼でも天の川の存在を確認することが可能です。
私も城ヶ島で肉眼で天の川を見ることができました。
ただし、少しでも薄雲や霧がかかると天の川は見えなくなってしまいます。
月がいない快晴の日を狙うのが一番いいですね。
城ヶ島は条件さえ揃えば天の川が見える、神奈川県内では数少ない場所のひとつです。
特に馬の背洞門付近や城ヶ島公園などは南方向の視界が海に向かって大きく開けていて、いて座やさそり座方向の夏の天の川がしっかり見えます。
城ヶ島の北の空は東京方面で壊滅的に明るいですが、南は結構暗いです。
光害マップで確認しても南の空は東京湾の街明かりに遮られることなく、比較的暗さを保っていることがわかります。
私も新月期の5月のGWに訪れた際、肉眼で白い帯のような天の川を確認することができました。

これは城ヶ島で撮影した天の川です。
ちゃんと写ってますね。
そのときは湿度が低く空の透明度が非常に高かったので条件がよかったと思います。
また、2回目に訪れたときも天の川が見れました。
天の川の中の星雲も撮影できました。
それがこの写真です。

城ヶ島の北側は街灯だらけで終わってますが、城ヶ島公園の中は真っ暗です。
今のところ変な街灯もないので安心して天の川が見れるでしょう。
天の川が見れる時期
天の川は一年中見れるわけではなく、見れる季節が限られています。
特に日本のように湿度が高く、光害の多い地域では観察に適した時期とそうでない時期の差が大きくなります。
結論から言えば、天の川の観察におすすめの時期は3月下旬から9月上旬にかけてです。
この期間は夏の天の川の中心部分であるさそり座やいて座が夜空に昇ってくるので、最も迫力のある姿を楽しむことができます。
なかでもベストシーズンといえるのが5月から6月上旬です。
その理由をいくつか紹介します。
5月はさそり座が見頃!
5月になると、夜10時ごろから南の空にさそり座が美しく弧を描いて昇ってきます。
こんな感じのやつですね。

さそり座の周りには天の川の最も濃い部分が広がっていて、肉眼でもぼんやりと姿を見ることができます。
天の川だけでなく、さそり座自体もすごく綺麗ですよ。
都会ではなかなか見れない姿なので貴重です。
梅雨入り前で天候が安定
また、5月が天の川観察に最適な理由は天気が安定しているからです。
6月中旬から7月下旬にかけては関東地方が梅雨入りし、曇りや雨の日が続きます。
そうなったら天の川は見れません。
ですが、5月はまだその前段階です。
晴れの日が多く湿度もそれほど高くないため、星空観察に向いた夜が多くなります。
夜の気温も冷え込みすぎず、かといって蒸し暑くもないので、観察や撮影も快適に行えます。
とはいっても、城ヶ島は風が吹くと寒いので5月でも防寒着を持っていきましょう。
虫の数も比較的少なく、磯場での撮影でもまだ蚊が少ない時期なのもうれしいポイントです。
なので、城ヶ島に天の川を見に行くなら5月がおすすめです。
とはいっても、それ以外の時期でも見れないわけではないのでチャレンジしてみてください。
天の川観察に最適な条件
ただ、天の川は時期がよければいつでも見れるというわけでもありません。
季節だけでなく、最適な条件が揃わないと天の川は見れないんですね。
というわけで天の川を見るための条件をいくつか紹介します。
新月の前後3日間がベスト
まず最も大事なのは月の存在です。
月明かりは星空にとって最大の敵とも言える存在で、どんなに空が晴れていても月が出ていると淡い天の川はかき消されてしまいます。
とくに満月は強烈に明るく、空全体がぼんやり黄色っぽくなってしまうほどです。
なので月が真っ暗な新月の時期を狙っていきましょう。
新月前後の1週間がおすすめです。
ただ、半月までであれば待ってれば沈んだりしてくれます。
詳しいことはこちらの記事を見てみてください。
快晴じゃないとだめ
月だけでなく天気も最重要です。
薄雲が流れていれば、その瞬間天の川は見れなくなってしまいます。
ただ、城ヶ島は海沿いなのでいつ雲が発生するか予想しづらいです。
月と違って天気は予測できないのがつらいですね。
天気はもはや運要素でしょう笑
この記事も読んでみてください。
人の少ない平日深夜がねらい目
城ヶ島は観光地でもあるので週末の夜はライトをつけて歩く人や、車のヘッドライトが行き交うこともあります。
特に夏休みシーズンはキャンプや夜釣りの人が増えるため、なるべく平日の深夜に訪れるのがおすすめです。
天の川は想像以上に暗いです。
懐中電灯の近くにいるだけでも見えなくなってしまいます。
撮影者が集まる新月の夜は撮影マナーにも気をつけたいですね。
お互いにライトを控えめにし、暗い環境を保つことでより快適な星見体験ができます。
結論:城ヶ島は肉眼で天の川が見れる!
城ヶ島というと「天の川は撮れるだけで見れないんでしょ?」と思う方が多いでしょう。
ただ、条件さえよければ肉眼でも天の川を見ることができます。
本当に暗い場所で見る天の川に比べれば見劣りするかもしれませんが、神奈川県内で天の川が見れること自体が奇跡のようなものです。
興味が湧いたらぜひ城ヶ島へ行ってみてください。
ドライブでさっと行けるくらいの距離なのでおすすめですよ。
では。
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