もう23時前にオリオン座が南中するようになりました。
オリオン座の季節も終わり、いよいよ春がやってきます。
春の初めの星座のひとつ、からす座にはアンテナ銀河があります。
アンテナ銀河は2つの銀河が衝突して、その潮汐力により長い2本のジェット(潮汐尾)が伸びている銀河です。
横浜からの撮影で果たしてジェットは写っているのでしょうか?
結果

Date: Jan 2 in 2025
Location: @横浜市内の自宅ベランダ (SQM 18.60)
Camera: ASI533MC Pro (Gain 100, 0℃)
Telescope: Takahashi FC-76DCU + 1.04x flattener (FL 592mm, f7.8)
Mount: Kenko SEII-J
Guiding: SVBony SV165 (FL 120mm, f4), ASI120MM mini, ASIair Plus
Filter: Optolong L-Quad Enhance
Exposure: 5min x28 (140min)
Processing: PixInsight, drizzle 2x, BXT, NXT
FWHM: 3.7932
左上の衝突銀河がアンテナ銀河です。
うっすらと2本の潮汐尾が見えてますね。
触角にも見えることから触角銀河と呼ばれることもあります。
英語圏では Antennae galaxies (アンテナ銀河) と呼ばれています。
地球からの距離はおよそ4500万光年と見積もられています。
割と近いほうです。
今回は解像度不足で細かい描写はできませんでしたが、アンテナ銀河本体にも赤いつぶつぶが見えてかなり美しい銀河です。
アンテナ銀河の上側はNGC4038, 下側にはNGC4039という名前がついています。
Caldwell カタログでは上側にはCaldwell60, 下側にはCaldwell61と名前がついています。
暗い場所で露光すればさらに綺麗な潮汐尾が描写できるはずです。
そして、右下の銀河はNGC4027です。
地味な銀河ですが同じ画角に収まるので一緒に撮ってみました。
アノテーションしてみましょう。

左上にNGC4038とNGC4039がいて、右下にNGC4027がいますね。
それ以外の系外銀河のPGC天体は少ないです。
普段銀河団ばかり撮っていると系外銀河が少ないなと感じます。
ですがもちろん、PGC天体以外にも観測されていないような暗い銀河が背景にたくさんいるかもしれません。
系外銀河はスケール感が大きすぎますね。

5分露光の撮って出しです。
この時点で明るいNGC4038, NGC4039, NGC4027 のコアは写っていますね。
ですがジェットは全く写っていません。
撮って出しを見た時点ではジェットは無理かなと諦めていました。
ですがうっすらと潮汐尾が写ったので今回は満足です。
次は暗い場所でジェットをはっきりと炙り出したいと思います。
では。


















