りゅう座といえば夏の星座ですが、実はもう見ることができます。
まだ2月だというのに季節の巡りは早いですね。
りゅう座はM102や三つ子銀河が有名ですが、今回は天体写真界隈では無名の銀河を撮ってみました。
NGC4291, NGC4319, NGC4363, NGC4386 です。
結果

Date: Feb 18 in 2025
Location: @横浜市内の自宅ベランダ (SQM 18.60)
Camera: ASI533MC Pro (Gain 100, -10℃)
Telescope: Takahashi FC-76DCU + 1.04x flattener (FL 592mm, f7.8)
Mount: Kenko SEII-J
Guiding: SVBony SV165 (FL 120mm, f4), ASI120MM mini, ASIair Plus
Filter: Optolong L-Quad Enhance
Exposure: 3min x23 (69min)
Processing: PixInsight, BXT, NXT
小さい銀河が複数集まっているだけなので見た目的には地味です。
どれがどの銀河だかわかりますか?
アノテーションしてみましょう。

赤い文字が振られているのがNGC天体で、それ以外の青い文字がPGC天体です。
一番上の赤い文字がNGC4363で、中央左がNGC4291, 中央右がNGC4319, そして一番下がNGC4386です。
中心のNGC4319は結構面白い天体で、近くにクエーサーがいます。
拡大してみましょう。

ノイズまみれで見苦しいですがこれがNGC4319です。
ハッブルの画像と比較するとその差は歴然ですね。
このすぐ真上に青白い点がポツンとありますが、それが Markarian 205 というクエーサーです。
地球からは10億光年以上離れているとされています。
Halton Arp という人もこの銀河を研究していて、NGC4319と Markarian 205 が相互作用しているように見えたようです。
実際にはNGC4319が地球から7700万光年ほどの距離に位置しているのに対して、Markarian 205 が10億光年以上離れているので物理的相互作用は一切ありません。
近年のハッブル宇宙望遠鏡の観測などにより明らかになりました。
焦点距離不足と光害のせいであまりいい写りになりませんでした。
いつかNGC4319をはっきり写すことができるのでしょうか。
技術の進歩に期待したいところです。
では。