リモート天体写真サービス Telescope Live を使って遊んでいます。
この前はNGC474周辺を画像処理しました。
Telescope Live で南天の天体も撮影できるという噂を聞いて、今回は日本からでは絶対に撮影できない天体を撮影してみました。
大マゼラン雲の中にあるスターバースト領域、NGC2070(タランチュラ星雲)です。
結果

Location: El Sauce Observatory, Chile
Camera: FLI ProLine PL9000
Telescope: Planewave CDK24 (FL 3974mm, f6.5)
Exposure: Luminance 600s x35, Red 600s x30, Green 600s x30, Blue 600s x33 (Total 1280min)
Processing: PixInsight, BXT, SXT
かじき座にある星雲です。
大マゼラン雲の中にあり、地球からはおよそ16万光年離れています。
見かけの等級はおよそ+7.3等級ほどです。
16万光年先の星雲で+7.3等級なのは驚異的な明るさです。
実際、タランチュラ星雲は局所銀河群の中で最も明るい星雲のひとつだと言われています。
局所銀河群とは天の川銀河、アンドロメダ銀河、さんかく座銀河などを含む銀河の集まりです。
南半球の暗い場所であれば肉眼でも見えるとされています。
タランチュラ星雲を撮っている人は少ないので見る機会があまりありませんが、今回は私の理想に少し近づくことができました。
前回のNGC474は謎の色被りとノイズに苦しめられましたが、今回のNGC2070は色被りもノイズもありませんでした。
実際、この画像処理で一度もノイズリダクションを使っていません。
ただ、位置が大きくズレたコマがあったので左端が黒くなってしまうトラブルが起きました。
PixInsightのWBPPを使ったら解決しました。
撮って出しを見てみましょう。
Luminance:

Red:

Green:

Blue:

この時点ですでにタランチュラ星雲の構造がはっきり写っています。
f値はそこまで明るい方ではないですが、長時間露光と大口径の解像度の威力は凄まじいです。
ちなみに、バイアス・ダーク・フラットは使っていません。
どうやら補正せずに上手くいくようで、今回は補正なしで処理してみたのですがうまくいきました。
南天の天体に興味がある人はリモート天体写真を試してみてはいかがでしょうか。
では。



















