毎年8月になると夜空を賑わせるのがペルセウス座流星群です。
三大流星群のひとつに数えられ、夏の夜を代表する天文イベントとして多くの人に親しまれています。
なかでも2026年は観測条件が最高で、新月の暗い夜空の下、1時間あたり最大150個前後の流星が期待できると言われています。
この記事では2026年のペルセウス座流星群を楽しむために知っておきたい「ピークの時間」「見る方角」「観測のコツ」を分かりやすく解説します。
ぜひ最後まで読んでみてください。
Contents
ペルセウス座流星群とは?
ペルセウス座流星群とは毎年夏の夜空を彩る流星群で、しぶんぎ座流星群、ふたご座流星群と並んで「三大流星群」と称されるほど有名で人気のある天文現象です。
特に北半球では真夏の8月という観測に適した季節に活動のピークを迎えるので、多くの人にとって一年の中でもっとも親しまれている流星群といえるでしょう。
時期もちょうど夏休みやお盆の時期に重なるので、大勢の人が注目します。
ペルセウス座流星群が観測できる期間は例年7月中旬から8月下旬にかけてですが、極大日前後では1時間に100個ほどの流星が期待できるとされています。
特に今年はZHRが150の予測なので、運が良ければ1時間に120個ほどの流星が見られるかもしれません。
条件がそろえば数分にひとつ以上の流れ星を目撃できるチャンスがあり、天文ファンだけでなく一般の人々にも人気です。
この流星群の正体は、彗星が宇宙空間に残した「ちりの帯」を地球が通過することによって生じる現象です。
ペルセウス座流星群の母天体はスウィフト・タットル彗星(109P/Swift-Tuttle)で、約133年周期で太陽のまわりを公転しています。
この彗星が過去の軌道上に撒き散らした細かな粒子が宇宙空間に帯のように広がっていて、地球が毎年8月にその帯を通過すると、大気に飛び込んだ粒子が摩擦で高温になって光り輝いて夜空に筋を描いて見えるのです。
これがペルセウス座流星群の正体です。
つまり、流星群とは彗星が残した塵の流れに地球が突っ込んでいく現象だといえます。
また、流星群には放射点というものがあります。
放射点とは流星の軌跡を逆向きにたどったときに空の一点に収束して見える点のことです。
ペルセウス座流星群の場合は放射点がペルセウス座の方向にあるため、この名前がつけられました。
もちろん流れ星自体は空のどこにでも現れますが、放射点を中心に四方八方へ飛び出していくように見えるのが特徴です。
特に暗い場所で観察すると、夜空を横切るように長い尾を引く火球やしばらく空に残る流星痕といった迫力ある現象に出会えるかもしれません。
このように、ペルセウス座流星群は誰でも見ることができるうえにロマンにあふれた天体ショーなんです。
ぜひ今年の夏はペルセウス座流星群を見てみてください。
2026年は新月で最高の条件!
流星群の観測において、月明かりがあるかどうかはとても重要です。
いくら夜空にたくさんの流星が降り注いでいても、明るい月がいたら流星の淡い光はかき消されてしまうので肉眼では確認できなくなってしまいます。
特に満月前後の夜には空全体が薄いベールに覆われたように白くかすみ、暗い星や淡い流星はまったく目に入らなくなってしまいます。
そのため、流星群を観察するうえでは天気と月齢が最も重要といっても過言ではありません。
天気は直前にならないとわからないですが…。
ですが月齢はあらかじめ知ることができます。
2026年のペルセウス座流星群は、晴れてさえいれば極めて理想的な条件です。
活動の極大(ピーク)は8月13日あたりと予想されていますが、この時期はちょうど新月です。
新月とは、満月の逆で全く光っていない月のことをいいます。
これは流星群観測にとって最高の条件であり、「100点満点の観測環境」といっても大げさではありません。
夜空には月明かりが一切なく、都市部から少し郊外に出るだけでも驚くほど多くの流星を目にできるでしょう。
これまでの年を振り返ってみると、ペルセウス座流星群は必ずしも観測条件が良いわけではありません。
たとえば2025年はほぼ満月の月が重なり、空が明るくなって観測に不向きな年でした。
満月があれば「本来なら1時間に80個見られるはずなのに、実際は20個くらいしか見えなかった」ということも珍しくありません。
しかし2026年は流星群のピークと新月がほぼ一致するため、極めて暗い空で流星群を迎えることができる稀な年なんです。
天文ファンはもちろん、普段あまり星を見ない人にとっても10年に数回の貴重なチャンスです。
この条件は写真撮影においても大きなメリットがあります。
流星の光は淡く、通常の星雲や銀河を撮影する以上に空の暗さが重要になります。
新月期であれば広角レンズで長時間露光を行っても月明かりによる色被りが発生せず、流星の軌跡をくっきりと写し出すことができます。
比較明合成による流星群の一斉写真や天の川と絡めた幻想的なカットを狙うにも、これほど理想的な条件はありません。
また、月明かりがないことで肉眼で天の川銀河を背景に眺めることができます。
夏の天の川は8月が特に美しく、いて座からはくちょう座にかけて濃く輝いています。
その壮大な星の帯の上を流星が次々と走る光景は、まさに夏の夜の一大スペクタクルです。
流星群だけでなく、夏の星座観察や天の川観賞を同時に楽しめるのも新月期ならではの醍醐味ですね。
まとめると、2026年のペルセウス座流星群は新月と重なるので最高の年になるでしょう。
普段は数十個しか見えない流星が、この年は100個近く確認できるかもしれない――そんな夢のような夜が、誰にでも訪れるのです。
この好条件を逃さないためにも、今のうちから観測スポットを調べて予定を立てておくことをおすすめします。
時間ごとの放射点の位置
ここからはペルセウス座流星群の時間ごとの放射点の位置を解説していきます。
観測位置は東京にしていますが、本州ならさほど変わらないでしょう。
*これから紹介するプラネタリウムの画像はすべて Sky Guide からとっています
8/12 22:00

ペルセウス座流星群の放射点が昇ってくるのは22:00くらいです。
方角は北東あたりで、高度は19度ほどです。
カシオペヤ座の下あたりですね。
この放射点から少し遠くに流星が飛んでくるので、まんべんなく空の上のほうを見渡すといいと思います。
8/12 23:00

23:00になると放射点が少し上のほうに上がってきます。
高度は25度くらいまで上がってくるそうです。
ただ、低空だと光害や大気の影響を受けやすいので空の上のほうを見渡したほうが多くの流星を見られると思います。
23:00ではまだまだ前哨戦といったところですね。
8/13 0:00

日付が変わると、放射点がさらに高く昇ってきます。
方角は北東で高度は33度まで上がるそうです。
放射点から四方八方に流星が飛び出してきますが、やはり夜空の真上(天頂)の方向が一番暗いので多くの流星が見られると思います。
とはいえ、ペルセウス座流星群の軌跡は長いので一つの方向だけにこだわるのはよくないです。
空全体を見渡しましょう。
8/13 1:00

1:00になると放射点はさらに高くのぼり、41度にまであがります。
ここからがいよいよ本番といったところですね。
この時間になると空のあらゆる方向に流星が現れるようになります。
ですが、放射点の方向には流星は現れにくいので放射点から少し離れた方向をまんべんなく見渡しましょう。
基本的には寝っ転がって天頂を眺めていれば大丈夫です。
8/13 2:00

2:00になると放射点は49度まで上がってきます。
方角はやはり北東です。
夜空を見上げたときの位置関係はこんな感じです↓

赤いポイントから流星が飛び出してきます。
どこに現れるかわかりませんが、空全体を見渡すのが一番いいと思います。
8/13 3:00

3:00になると放射点がさらに高くあがり、57度ほどになります。
東のほうに冬の星座が見え始める時間ですね。

空を見上げると北東のほうに放射点がありますが、そこから遠く離れたところに長くて明るい流星が現れやすいです。
天頂を中心に空全体を眺めるのがいいと思います。
最後に
今回は2026年のペルセウス座流星群についてまとめました。
2026年のペルセウス座流星群は極大日がちょうど新月と重なり、これ以上ないほどの素晴らしい条件です。
あとは晴れることを祈りましょう。
放射点は北東ですが、そこから少し離れたあたりをぼーっと眺めているとたくさんの流星に出会えるでしょう。
ペルセウス座流星群は明るい流星が多いです。
火球も見られるかもしれないですね。
もしよかったら暗い場所まで出かけてみてください。
では。














