2025年のしし座流星群まとめ!ピークはいつ?何時からどこで見える?
2025年11月17日から18日にかけて、しし座流星群が極大です。
今年は月がずっと地平線の下に隠れていて、これ以上ない最高の条件です。
というわけで、今回は2025年のしし座流星群を最大限楽しむポイントを余すことなくお伝えします。
- しし座流星群ってなに?
- 今年は大出現するの?
- 何時がベスト?
- どこで見れる?
- どんな流星がいくつくらい見れる?
- 流星群の観察のポイントは?
ぜひ最後まで読んでみてください。
Contents
しし座流星群とは?
しし座流星群とは毎年11月中旬に活動する有名な流星群です。
その名の通り、放射点(流れ星が流れてくるように見える位置)がしし座にあります。
この流星群は、母天体のテンペル・タットル彗星(55P/Tempel–Tuttle)が残した微小な塵が地球の軌道と交差する際に大気に飛び込むことで発生します。
これらの塵は約71km/sという極めて速い速度で大気圏に突入します。
これは1年ごとにやってくる流星群としては最も速い部類です。
三大流星群のしぶんぎ座流星群・ペルセウス座流星群・ふたご座流星群と比較してみましょう。
| 流星群 | 平均大気圏突入速度 | 備考 |
|---|---|---|
| しぶんぎ座流星群 | 約 41 km/s | 中速の流星群 |
| ペルセウス座流星群 | 約 59 km/s | 高速な流星群 |
| ふたご座流星群 | 約 35 km/s | やや低速な流星群 |
| しし座流星群 | 約 71 km/s | 極めて速く明るい |
このように、しし座流星群は際立って速いです。
摩擦熱によって一瞬にして光り輝くので、鋭い光跡を残すのが特徴です。
しし座流星群は普段は1時間あたり10個から20個程度の比較的穏やかな出現数ですが、過去には歴史的な「大出現」を記録してきました。
特に有名なのは1966年、1999年、2001年などで、このときには1時間に数千個規模の流星が観測されました。
「流星群ではなく流星雨だ!」と表現される光景が世界中で目撃されました。
私はまだ生まれてないときですね… > <
これらの大出現はテンペル・タットル彗星が地球の軌道に接近した数年前から数年後にかけて発生しやすいとされていますが、詳細はまだまだ謎です。
天文ファンにとっては一生に一度出会えるかどうかの貴重な現象ですね。
また、しし座流星群は流星痕と呼ばれる、流星が通ったあとに残る淡い光の帯が数秒から数分間残る現象が比較的多く見られます。
これは高速で突入した流星が高層大気に衝撃波や電離層の変化を引き起こすためで、写真や動画でとらえると非常に幻想的な記録になります。
詳しい観測の仕方は後で解説します。
都市部では光害の影響で見える流星の数は減りますが、明るい火球も出現するので条件が良ければ街中からでも観察可能です。
暗い場所に移動すればさらに多くの流星を楽しむことができます。
しし座流星群は毎年必ずやってくる定番の天文イベントですが、時には歴史に残るような流星雨を見せてくれるロマンあふれる流星群なんですね。
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2025年はしし座流星群の大出現はなさそう
2025年のしし座流星群は天文ファンにとって楽しみな秋の恒例イベントではありますが、今年は「大出現」と呼ばれるような劇的な数は予想されていません。
理由は母天体であるテンペル・タットル彗星が地球の軌道付近を通過するタイミングと密接に関係しています。
彗星が接近した数年前から数年後にかけては、彗星の軌道上に新鮮で密度の高い塵の流れ(ダストトレイル)が形成されます。
地球がその中を通過すると、1時間あたり数百から数千個という驚異的な数の流星が出現します。
しかし2025年はそうしたダストトレイルの密集地帯を通過する年ではないため、いつも通りの活動となる見込みです。
過去の記録を振り返ると、しし座流星群は「普段はおとなしいが、時には歴史的な大出現を見せる流星群」として知られています。
1966年の大出現では「まるで流れ星の雨が降っているようだった」と記録されています。
ある観測者は「1秒間に40個くらいの流星を見た」と言っていたそうです。
本当かどうかはわかりませんが…笑
1999年や2001年にも世界各地で1時間あたり数千個の流星が観測され、SNSや動画が存在しない時代にも関わらず天文雑誌やニュースで大きく報道されました。
こうした大出現は、観測者にとって一生忘れられない経験になります。
では次にそのチャンスが訪れるのはいつかというと、現在の軌道計算によれば2033年と2034年が有力です。
国際流星機構(IMO)や複数の天文学者の予測では、この2年のしし座流星群は最大で1時間あたり約400個の流星が出現する可能性があるとされています。
「流星雨」とまではいかなくても、かなり多い数ですね。
平年の約20倍の数です。
天候や観測条件が整えば、肉眼でも次々と流星が現れる圧巻の光景を見られるかもしれません。
特に2034年は彗星接近の翌年でダストトレイルの密度が高まる可能性があり、世界中の天文ファンが注目する年になるでしょう。
なので2025年のしし座流星群は大出現ではないと思われます。
落ち着いた流星群として楽しむのがよさそうです。
今年の出現数は1時間あたり10個から20個ほどと見られています。
それでもまあまあ多いほうなので楽しみましょう。
2025年は月が常に沈んでいて最高の条件!
2025年のしし座流星群は大出現こそ予想されていませんが、観測条件という点では稀な「最高の年」です。
しし座流星群の極大の夜、月がすでに沈んでいて夜空にいないからです。
流星観測において月明かりは最大の敵のひとつです。
満月が一番やばいですが、半月でも空全体を明るく照らしてしまいます。
なので月がいる夜は肉眼で見える暗い流星の数が大きく減ってしまうんですね。
しかし2025年の極大夜は新月期と重なっていて、しし座流星群の放射点が昇ってくる頃に月は夜空にいません。
そのため、人工の光害を避けさえすれば真っ暗な空に最大限の数の流星が現れる理想的な状況となります。
月がいないということはそれだけ貴重なんですね。
例えば月齢が半月以上の年には、流星の見える数が理論値の半分くらいに減ってしまうことも珍しくありません。
これは明るい月光が淡い流星をかき消してしまうためです。
逆に新月期にあたる年は見える流星の数が増えて、普段は見逃してしまうような暗くて短命な流星まで確認できるようになります。
また、月明かりがないので流星痕もはっきりと見えるでしょう。
しし座流星群は白い流星が多いですが、もしかしたら緑色の火球も見られるかもしれません。
2025年のしし座流星群は大出現ではないものの、月明かりがないので最高の条件です。
「まだ見たことがない」という人も、今年は条件がいいのでぜひ見てみてください。
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双眼鏡や望遠鏡は使わないほうがいい
流星群の観測では、ついつい「もっと大きくはっきり見たい」と思って双眼鏡や望遠鏡を使いたくなるかもしれません。
しかし、流星群観測においては双眼鏡や望遠鏡はむしろ観測の妨げになります。
理由は大きく分けて3つあります。
視野が狭くなる
まずひとつ目が、視野が極端に狭くなるという問題です。
人間の目は明確に焦点が合う範囲でも約50度から60度、ぼんやりと動きを感じられる範囲まで含めれば180度近くを同時にカバーできます。
一方、双眼鏡の視野はせいぜい5度から8度ほどしかありません。
天体望遠鏡に至っては1度くらいです。
しかし、しし座流星群の流星は71km/sというとんでもないスピードで大気圏に突入し、一瞬で光って消えていきます。
狭い視野内に流星が偶然入る確率は非常に低いです。
なので双眼鏡や望遠鏡を使うと「何も見えなかった…」となる可能性があります。
流星の軌跡を楽しめない
第二に、流星の軌跡全体を楽しめないことが挙げられます。
肉眼で見た流星は長いものでは空の端から端までを一直線に横切り、数秒間尾を引くこともあります。
しかし双眼鏡では視野に収まるのはそのごく一部だけで、光跡の始まりや終わりが見えません。
なので迫力が減ってしまいます。
特に流星痕と呼ばれる淡い光の帯は広い範囲に広がるので、双眼鏡では全貌をとらえられないです。
流星群はどこに来るかわからない
第三に、流星群はどこに出現するか予測できないという性質があります。
放射点の方向から流星が飛び出てきますが、実際には全天のあらゆる場所に出現します。
双眼鏡を構えて一点を凝視している間に、その視野の外側でいくつも流星が流れてしまうでしょう。
なので「双眼鏡をずっとのぞいてたけど何もなかった」となる可能性が高いです。
天体観測というと双眼鏡や望遠鏡のイメージがありますが、流星群の観測では使わないほうがいいんですよね。
しし座流星群を観測する際は視野をできるだけ広くして、リラックスして空全体を見渡すのがベストです。
肉眼での観測なら寝転がって仰向けに空を見上げるのが最適で、首や肩の負担も減ります。
もし双眼鏡や望遠鏡を使うなら、流星そのものを見るのではなく観測の合間に他の星雲・星団を眺めるために使うといいと思います。
放射点はどこ?
これからは実際にどこから流星が飛んでくるかを解説します。
*使っている星図はすべて星図アプリ Sky Guide からとりました。
しし座流星群の放射点はしし座の頭あたりにあります。
ここですね。

アルギエバというしし座の2等星の近くです。
拡大してみましょう。

6つの星からなる「といかけぼし」というアステリズムの近くにあります。
近くにはアルギエバとレグルスがいます。
レグルスは一等星なので都会からでもよく見えるでしょう。
しし座を見つけることができたら、その頭がしし座流星群の放射点です。
時間ごとの放射点の位置
次は時間ごとの放射点の位置を見ていきましょう。
位置は東京ですが、札幌でも沖縄でもさほど変わらないと思います。
11/18 1:00

しし座は11/18の1:00くらいに東の空から現れます。
目印は明るいレグルスです。
レグルスさえ見つかれば、その少し上に放射点があるはずです。
他の星たちはこんな感じです↓

北の空にはすでに北斗七星が昇ってきていますね。
この放射点から流星が四方八方へと飛び出していきます。
この時点では放射点は23度と、まだ低い位置にいます。
上のほうに流れていく流星はあるでしょうが、まだ本番ではないですね。
11/18 2:00

2:00になるとしし座が少し高くなります。
レグルスも見つけやすくなるでしょう。
このときの放射点の方角は東、高度は35度です。
東の空を全体的に見ていれば流星が見れると思います。
11/18 3:00

3:00になるとさらに高く上がってきます。
高度は48度くらいになるでしょう。
ですが方角はまだ東です。
東の空45度くらいにレグルスがいると思うので、そこらへんが放射点です。
ただ、放射点の近くではなく遠くを見たほうが長い流星を見やすいです。
全体像はこんな感じです↓

この図で言えば、放射点から離れた北斗七星や木星の方向へ飛んでいくことも考えられます。

いろいろな方向に流星が飛んでいくので、一つの場所を凝視するのではなく空全体を眺めてみましょう。
放射点といっても、あくまで流星が飛んでくるように見える場所なのでそこに流星が現れるとは限りません。
あまり気にしないのがいいと思います。
11/18 4:00

4:00になるとさらに空高く上がってきます。
放射点の方角は東南東で、高度は59度です。
この頃になると天頂に近くなってくるので、寝っ転がって真上を見ているのが一番いいと思います。
4時台が一番いい時間帯です。

このように、空全体をぼんやり眺めていると流星が見えるかもしれません。
11/18 5:00

5:00になると方角は南東になり、高度は70度まで上がります。
ほぼ真上ですね。
天頂との位置関係はこんな感じです。

ほぼ真上から流星が四方八方へ飛び出していくでしょう。
ですが、5:00にはもう太陽が東から昇り始めているので観測は終わりです。
残念ですね。
なので4:00から5:00までが一番観測に適した時間帯だといえます。
最後に
今回は2025年のしし座流星群について解説しました。
2025年のしし座流星群は月がずっと地平線の下にいるので、観測条件は最高です。
あとは天気次第ですが、しし座流星群はピークがなだらかなので11/18前後であれば流星が見られると思います。
大出現とまではいかなくても、明るい火球や流星痕が見れるかもしれません。
ぜひしし座流星群を見に行ってみてください。
では。
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