毎年11月中旬にピークを迎えるしし座流星群。

夜空に明るく、速い流星が飛び交うのが特徴です。

中京圏は標高の高い山間部や平野部の公園など、流星群観測に最適なスポットが揃っています。

そこで、この記事では愛知・岐阜・滋賀・三重の4県から

  • 実際に星が見える
  • 光害が少ない
  • 夜間もアクセスしやすい

場所だけを厳選して一気に紹介します。

ぜひ参考にしてみてください。

しし座流星群とは?

しし座流星群は毎年11月中旬に活動する代表的な流星群で、その起源はテンペル・タットル彗星 (55P/Tempel–Tuttle) が残した塵の軌道にあります。

この彗星は周期彗星で、約33年周期で太陽の周りを回っています。

地球が公転の最中にちょうどこの塵の帯に突入し、無数の微小粒子が地球大気と衝突して摩擦によって光ることで流れ星として観測されます。

しし座流星群が特別視される最大の理由は、歴史的な大出現(流星雨)を繰り返してきた流星群であるという一点に尽きます。

過去には1883年・1966年・1999年・2001年など、夜空一面が流星の雨で埋め尽くされるほどの大出現が記録され、世界中の観測者の記憶に強烈に刻まれました。

歴史資料には19世紀のアメリカで「夜空が星の滝のようだった」と記録された例もあり、しし座流星群は流星群の中でも伝説的存在として語られてきました。

これらの大出現はテンペル・タットル彗星が太陽に近づいた数年後に、地球が塵の密度が高いダストトレイルを通過するときに発生します。

つまり、母彗星の動きと地球の軌道位置が精密に重なるとき、しし座流星群は一気に活動レベルが跳ね上がるという特徴を持っています。

しし座流星群のもう一つの大きな特徴は、極めて高速であることです。

その流星の平均大気突入速度は約71km/sです。

比較してみるとその異常さがわかります:

流星群平均大気圏突入速度備考
しぶんぎ座流星群約41km/s中くらいの速度
ペルセウス座流星群約59km/s高速
ふたご座流星群約35km/s低速
しし座流星群約71km/s極めて速い

これは年間で見られる流星群の中でも最速クラスに位置し、非常にシャープで鋭い光跡を描きます。

どれくらい速いのかというと、名古屋と豊橋を1秒で移動できるくらいです。

この高速突入により明るい流星や火球が発生しやすく、観測者に強い印象を残します。

たとえ出現数が控えめな年であっても一つひとつの流星が鮮烈な光を放つため、しし座流星群は少数精鋭であるとも言われますね。

しし座流星群の放射点は名前の通りしし座(Leo)に位置していて、夜半を過ぎると東の空に高く昇ってきます。

なので観測に最適な時間帯は深夜から明け方にかけてです。

詳しくはこちらの記事で書きました↓

放射点が高くなるほど空全体に流星が広がりやすくなるため、しし座流星群は未明型の流星群として天文学者や観測者に知られています。

流星群の出現数が短時間で急増・急減するという特徴もあり、極大時刻前後に観測状況が大きく変わることも珍しくありません。

さらに、しし座流星群は毎年の活動が安定していないという点でも独特です。

ペルセウス座流星群やふたご座流星群のように安定した流星群とは異なり、しし座流星群は母彗星の周期に強く左右されるので年によって出現数に大きな幅があります。

通常年は1時間10個程度ですが、ダストトレイルとの位置関係がいい年には一気に数百個以上の流星が流れることもあります。

見てみないとわからないところがロマンありますね。

なので毎年11月が近づくと多くの天文ファンや研究者がしし座流星群の活動予測に注目します。

このように、しし座流星群の魅力は歴史的背景・彗星起源・高速突入・周期的な大出現、そして予測の難しさなど、数多くの要素が複雑に重なり合う点にあります。

静かに淡々と流れる年もあれば、突如として空を支配するかのように大量の流星が降り注ぐ年もあります。

今年もぜひ空を見上げてみてください。

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今年のしし座流星群は?

2025年のしし座流星群は、近年ではほとんど例を見ないほどの理想的な観測条件がそろいます。

まず最大の追い風となるのが、極大が11月18日未明(日本時間)と予測されている点です。

しし座流星群の放射点は夜半を過ぎたあたりから東の空に高く上り始め、未明の4時ごろにかけて最も高く位置します。

つまり極大と放射点の見頃が完全に一致し、流星が最も流れやすい時間帯と極大時刻が重なるという非常に稀な巡り合わせになっています。

さらに今年は新月の2日前(11月20日が新月)というタイミングで、極大の前後にはほとんど月明かりの影響がありません。

流星群の観測では月明かりがあるかどうかで出現数が大きく変わりますが、2025年のしし座流星群ではその心配が一切不要です。

18日は細い月が明け方に顔を出すくらいで、影響はほとんどゼロでしょう。

流星群の観測にとってこれほど条件が整う年は数年に一度あるかどうかで、天文ファンにとってはまさにめぐり合わせの年です。

活動予測では、今年のしし座流星群は大出現は起きない見込みとされています。

テンペル・タットル彗星の回帰から時間が経過しているため、地球が通過するダストの密度は比較的薄く1999年や2001年のような爆発的な流星雨は期待されません。

しかし通常の活動としてはかなり恵まれた出現数が想定されていて、暗い場所であれば数分に一回は流星が見える程度の流れ方が期待できます。

しし座流星群は突入速度が約71km/sという極めて高速の流星群であるため、一つ一つの光跡が非常に鋭く明るく見えるという特徴があります。

観測条件が悪い年でも印象に残る光跡が見られることがあるため、今年のように月明かりがなく放射点が高く昇る未明に極大が重なる年は、まさにその魅力を最大限に味わえる年と言えるでしょう。

観測する際のおすすめ時間帯は

  • 11月18日の0時〜明け方5時
  • 特に放射点が最も高い3時〜5時の2時間

が理想的です。

放射点が高くなるほど空全体にまんべんなく流星が出現しやすくなるため、どこを見ても流星が現れる可能性があります。

あとは天気次第ですが、冬の関東平野は晴れやすいので天気はよくなる可能性が高そうです。

詳しくは天気予報を見てみてください。

暗い場所まで出かけないといけない理由

流星群を見ようと夜空を見上げても、都会の空では「星が少ない」と感じる人が多いでしょう。

それは星の数が減ったのではなく、人工の光による夜空の汚染によって本来なら見えるはずの星の光がかき消されてしまっているからです。

これを光害(ひかりがい)といいます。

街灯、ビルのネオン、コンビニの看板、車のヘッドライトなど、私たちの生活を支える光が同時に宇宙の光を覆い隠しています。

流星は恒星よりもずっと短く、ほんの一瞬しか光りません。

しかもその多くは暗い光度でしか輝かないため、明るい街の空では半分以上が見えなくなってしまうと言われています。

つまり、しし座流星群を本当に楽しむためには流れ星が見える場所まで出かけないといけないです。

少し郊外へ出るだけで、夜空の様子はまるで別世界に変わります。

完璧に暗い場所まで行くことはできなくても、都市部から少し離れるだけで見える星の数は劇的に変わるんですよね。

例えば明るい都市部では星は5個程度しか見えませんが、本当に暗い場所では2000個以上の星が肉眼で見えると言われています。

その差は想像以上です。

都会の空は常に黄色っぽく、星が隠れています。

ですが田舎では夜空が黒く、その中に浮かぶたくさんの星を見ることができます。

しし座流星群の季節には夏の天の川は見えませんが、本当に空が暗い場所であれば秋の天の川や冬の天の川も見えると思います。

ぜひしし座流星群の夜、郊外へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

特に中京圏は郊外に出ると自然が豊かなので、都会で見るよりもずっと多くの流れ星に出会えると思います。

気になるお天気は?

今年のしし座流星群の極大は11月18日未明なので、そのとき晴れていればしし座流星群が一番よく見られます。

また、前後数日間はしし座流星群が活動するので見逃してもチャンスがあると思います。

雲量予測にはWindyが一番です。

中京圏の予報はこんな感じです↓

これを見る限りだと18日の天気は微妙ですが、晴れ間は十分ありそうです。

極大からずれますが特に19, 20日の未明は快晴の地域が多そうですね。

天気がいちばん大事なので多少日にちをずらすのも大事な戦略です。

あとはYahoo!天気とtenki.jpも見てみてください。

中京圏のYahoo!天気

東海地方(滋賀県除く)のtenki.jp

滋賀県のtenki.jp

東海地方(滋賀県除く)の星空指数

滋賀県の星空指数

ここからは実際に愛知・岐阜・滋賀・三重でしし座流星群を見るのにぴったりの場所を紹介していきます。

しし座流星群は

  • 流星が速い
  • 放射点がのぼるのが遅い
  • 放射点が南にくる

という特徴があるので、その特徴にあった場所を紹介します。

暗い場所には星空を撮影している人がたくさんいます。明かりは最小限にして、懐中電灯ではなく足元を照らすヘッドライトを使うようにしましょう。

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愛知県内でおすすめのスポット

まずは愛知県内でしし座流星群を見られるおすすめスポットを紹介します。

つぶてヶ浦 (南知多町)

空の暗さ:★★☆☆☆
アクセスのよさ:★★★★★

最初に紹介するのが南知多町のつぶてヶ浦です。

名古屋から車で1時間以内と、とてもアクセスがいいです。

知多半島の先端の方にあるので名古屋市内に比べれば遥かに空が暗く、天の川も見えます。

ただ、それでもまだ名古屋や豊橋の街明かりが届いているので空はまあまあ明るいそうです。

最高の星空を目指すなら後述の場所を選ぶといいでしょう。

旭高原元気村 (豊田市)

空の暗さ:★★★★☆
アクセスのよさ:★★★★☆

次に紹介するのが旭高原元気村(キャンプ場)です。

名古屋市内から車で1時間ちょっとで行けるのでかなりアクセスがいいです。

空も暗く、天の川も見えると言われています。

ただ、深夜の星空観察には宿泊が必要というルールなので流星群を観察するなら宿泊予約が必要になります。

「宿泊してもいい」という人にはいいかもしれないですね。

茶臼山高原 (豊根村)

空の暗さ:★★★★★
アクセスのよさ:★★☆☆☆

最後に紹介するのが茶臼山高原です。

ここは愛知県内で最も空が暗い地域で、天の川もはっきり見えるレベルです。

ここに行けば空から次々と降ってくる流星を楽しめるでしょう。

ただ、寒いと道路が凍結している可能性もあるので冬用タイヤで行くと安心です。

岐阜県内でおすすめのスポット

次に岐阜県内でしし座流星群を見られるおすすめスポットを紹介します。

星のふる里ふじはし (揖斐川町)

空の暗さ:★★★★☆
アクセスのよさ:★★★★★

岐阜県で紹介するのが揖斐川町のあたりです。

特に藤橋のあたりは満天の星々が見えると言われています。

星のふる里ふじはしは24時間駐車場・トイレ開放なので安心です。

ただ、周りに街灯があるかもしれません。

詳しい情報は調べられませんでした。

徳山ダムのほうはもっと空が暗いという情報もあったのでよければ行ってみてください。

滋賀県内でおすすめのスポット

次に滋賀県内でしし座流星群を見られるおすすめスポットを紹介します。

伊吹山山頂駐車場 (米原市)

空の暗さ:★★★☆☆
アクセスのよさ:★★★☆☆

滋賀県で紹介するのが伊吹山山頂駐車場です。

伊吹山は滋賀県で最も高い山で、標高は1377mもあります。

ですがこの伊吹山山頂駐車場までは車で行けるので大丈夫です。

ときどきここで星空観望会をしているらしく、機材がずらーっと並ぶそうです。

天の川も見えるみたいですね。

詳しくは調べてみてください。

ただ、頂上まで登るのに時間がかかるので地味にアクセスが悪いです。

米原や彦根の人なら近いと思います。

三重県でおすすめのスポット

最後に滋賀県内でしし座流星群を見られるおすすめスポットを紹介します。

鵜倉園地 (南伊勢町)

空の暗さ:★★★★★
アクセスのよさ:★★★☆☆

南伊勢町にある公園で、24時間空いています。

空の暗さは三重県で最高クラスで、天の川のもやもやがはっきりと見えるほどです。

四日市や津からもそれほど遠くなく、車があれば2時間もしないで行けます。

特に見江島展望台は恋人の聖地に認定されていて、ハートのモニュメントと天の川が一緒に撮れることで有名です。

他にも撮影者がたくさんいるかもしれないのでマナーには気をつけましょう。

ここに行けば最高の流星群が見られるはずです。

最後に

今回は中京圏(愛知・岐阜・滋賀・三重)でしし座流星群を見られる場所を紹介しました。

暗い場所ほどアクセスが悪くなりがちですが、その分最高の体験が待っています。

車がないと移動がきついですが、免許があればレンタカーを借りたりして行ってみてはいかがでしょうか。

あと、この時期の未明は想像以上に寒いので防寒対策を忘れないでください。

きっと一生に残る思い出になるはずです。

では。

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