もうすぐオリオン座流星群の極大を迎えますね。

オリオン座流星群は1年ごとに活動する流星群で、流星の数は多いほうです。

そこで、今回は首都圏の中でも東京・神奈川・千葉からオリオン座流星群を見るための観察ガイドを書いてみました。

ぜひ参考にしてみてください。

この記事を参考にして記事を書かれる場合はぜひリンクを貼っていただけると助かります。よろしくお願いしますm(*_ _)m

オリオン座流星群とは?

秋の夜空を彩る「オリオン座流星群」は毎年10月下旬に活動のピークを迎える流星群です。

一年の中でも観測条件がよく、特に深夜から明け方にかけて多くの流星が空を横切ります。

この流星群の母天体は、誰もが一度は聞いたことのあるハレー彗星(1P/Halley)です。

人類が古代から観測してきたハレー彗星の軌道上には、無数の微細な塵や岩の粒が散りばめられています。

地球がその軌道を通過するときこれらの粒が大気に突入して発光し、流星として夜空に輝くのです。

ハレー彗星は76年周期で太陽のまわりを公転していて、次の地球最接近は2061年とされています。

つまり、私たちが毎年見上げるオリオン座流星群は過去のハレー彗星が通り過ぎた軌跡のかけらが燃え尽きる現象なのです。

一粒一粒の流星は直径わずか1mm前後の微粒子です。

それが66km/sという驚異的なスピードで地球大気に突入し、摩擦熱で数千度に達して光を放ちます。

ほんの一瞬の閃光の裏には数百年・数千年の宇宙の時間が秘められているんですね。

放射点(流星が放射状に流れる中心)は、名前の通りオリオン座のベテルギウス付近に位置しています。

オリオン座は冬の星座として有名ですが、流星群の活動時期である10月には夜半過ぎから東の空に昇り始めます。

そのため、観測に最も適しているのは午前0時から明け方4時ごろです。

オリオン座が空高く昇るにつれて放射点が高くなり、観測できる流星の数も増えていきます。

ピーク(極大)は例年10月21日前後で、1時間あたり10個ほどの流星が出現します。

ただしこれはあくまで平均的な数値であり、空が暗い理想的な環境では1時間に20個以上見えることもあります。

街明かりの少ない場所へ行き、広い視界で夜空全体を見渡せばいくつもの流星を肉眼で捉えることができるでしょう。

オリオン座流星群の流星は速度が非常に速く、光跡が鋭く伸びるのが特徴です。

時には明るく長く残る流星痕や、突発的に現れる火球が見られることもあります。

流星は空全体に出現するため、オリオン座を直接見つめるよりも広範囲を眺めるのがコツです。

そして何より、観測を始めてすぐに現れなくても焦らないこと。

目が暗闇に慣れることで、突然現れる閃光が視界をかすめる瞬間に出会えるでしょう。

オリオン座流星群はただの天文現象ではありません。

はるか昔のハレー彗星の痕跡を見ることができる、1年に一度の貴重な天体ショーです。

人工の光が絶えない現代にあっても、少し郊外へ足を運ぶだけで宇宙の輝きを見ることができるでしょう。

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今年の観測条件は?

2025年のオリオン座流星群は、近年まれに見る最高の観測条件を迎えます。

極大は10月21日で、その日がちょうど新月にあたります。

天文ファンにとってはこれ以上ない幸運な巡り合わせですね。

流星群観測における最大の敵は月明かりです。

どんなに空が晴れていても満月に近い夜は月光が空を白く照らし、暗い流星をほとんど見逃してしまいます。

しかし2025年は月が完全に姿を消す新月期に極大を迎えるため、夜空の暗さは最高になります。

街明かりの少ない場所に行けば、まるで宇宙に包まれたような漆黒の空が広がるでしょう。

オリオン座流星群は例年10月上旬から11月上旬まで続きますが、最も多く流星が出現するのは10月21日前後の数日間です。

2025年の詳しい放射点の方角や時間はこの記事に書いたので読んでみてください↓

ですが、流星群観測では月明かりだけでなく都市の明かりも邪魔になります。

暗い場所まで出かけないといけない理由

流星群を見ようと夜空を見上げても、都会の空では「星が少ない」と感じる人が多いでしょう。

それは星の数が減ったのではなく、人工の光による夜空の汚染によって本来なら見えるはずの星の光がかき消されてしまっているからです。

これを光害(ひかりがい)といいます。

街灯、ビルのネオン、コンビニの看板、車のヘッドライトなど、私たちの生活を支える光が同時に宇宙の光を覆い隠しています。

流星は恒星よりもずっと短く、ほんの一瞬しか光りません。

しかもその多くは暗い光度でしか輝かないため、明るい街の空では半分以上が見えなくなってしまうと言われています。

つまり、オリオン座流星群を本当に楽しむためには流れ星が見える場所まで出かけないといけないです。

少し郊外へ出るだけで、夜空の様子はまるで別世界に変わります。

完璧に暗い場所まで行くことはできなくても、都市部から少し離れるだけで見える星の数は劇的に変わるんですよね。

例えば明るい都市部では星は5個程度しか見えませんが、本当に暗い場所では2000個以上の星が肉眼で見えると言われています。

その差は想像以上です。

都会の空は常に黄色っぽく、星が隠れています。

ですが田舎では夜空が黒く、その中に浮かぶたくさんの星を見ることができます。

季節によっては天の川も見ることができるでしょう。

こんな感じです↓

ぜひオリオン座流星群の夜、郊外へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

都会で見るよりもずっと多くの流れ星に出会えるでしょう。

ここからは実際に東京・神奈川・千葉でオリオン座流星群を見るのにぴったりの場所を紹介していきます。

暗い場所には星空を撮影している人がたくさんいます。明かりは最小限にして、懐中電灯ではなく足元を照らすヘッドライトを使うようにしましょう。

東京都内でおすすめのスポット

まずは東京都内でオリオン座流星群を見られるおすすめスポットを紹介します。

奥多摩湖 (奥多摩町)

空の暗さ:★★★☆☆
アクセスのよさ:★★★☆☆

最初に紹介するのが奥多摩湖です。

奥多摩湖は東京都内で屈指の暗さであり、見晴らしもいいので数多くの流星を見ることができます。

実際、流星群シーズンになると夜の駐車場には多くの車がやってきます。

都心からは少し遠いですが、東京都内で流星群を見るなら奥多摩湖は外せません。

神津島 (神津島村)

空の暗さ:★★★★★
アクセスのよさ:★☆☆☆☆

東京都内なら伊豆諸島も外せません。

神津島は調布飛行場から飛行機、もしくは竹芝から船でいけます。

確かにアクセスは悪いですが、神津島は星空保護区に指定されているおかげで光害がほとんどありません。

東京都とは思えないほどの星空が見られるみたいです。

一度は行ってみてはいかがでしょうか。

神奈川県内でおすすめのスポット

次は神奈川県内でオリオン座流星群を見られるおすすめスポットを紹介します。

城ヶ島 (三浦市)

空の暗さ:★★★☆☆
アクセスのよさ:★★★★☆

まず紹介するのが三浦氏の南端にある城ヶ島(じょうがしま)です。

アクセスが非常によく、都心からでも1時間半ほどで行けます。

「奥多摩湖は遠い」という人は城ヶ島に行くといいでしょう。

神奈川県内では指折りの暗さで、星がたくさん見えます。

私が行ったときは天の川も撮影できました↓

ただ、北側の空は都心の光でかなり黄色っぽいです。

南側は暗いので、できるだけ南や天頂(真上)を見るようにしていたらいいと思います。

丹沢湖 (山北町)

空の暗さ:★★☆☆☆
アクセスのよさ:★★★★☆

次に紹介するのが丹沢湖です。

東名高速道路に乗れば意外と速く行くことができます。

城ヶ島より北側が暗く、神奈川県の中では星がたくさん見えるスポットです。

しかし、最近は照明が増えているみたいなので結構明るいかもしれません。

不安な人は城ヶ島に行くのが無難ですね。

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千葉県内でおすすめのスポット

最後は千葉県でおすすめのスポットを紹介します。

九十九里浜 (九十九里町)

空の暗さ:★★★☆☆
アクセスのよさ:★★★★★

最初に紹介するのが九十九里浜です。

九十九里浜は九十九里町の海岸線に広がる砂浜で、海沿いで見晴らしがよく光害も少ないです。

中でも九十九里ビーチタワーは特徴的な見た目をしていて、星景写真家にも人気のスポットです。

運がよければタワーと流星群の共演を撮ることができるかもしれません。

千葉市や船橋市だけでなく、東京都心からもアクセスがいいのでおすすめですよ。

鹿野山 (君津市)

空の暗さ:★★★☆☆
アクセスのよさ:★★★★☆

鹿野山(かのうざん)は千葉県で2番目に高い山です。

展望台があり、麓の景色(南の方向)を一望することができます。

ただ、北側は千葉や東京の明かりがひどく空が明るいです。

南側の星空を楽しむのがいいでしょう。

また、山の頂上までの道は暗くて狭いです。

アクセスが少し悪いので、展望台が目的でなければ行かない方がいいかもしれません。

高滝湖展望台 (市原市)

空の暗さ:★★★☆☆
アクセスのよさ:★★★★★

次に紹介するのが高滝湖展望台です。

展望台の下は高滝湖PAの明かりでとても明るいですが、展望台の中には一切明かりがありません。

なので星空観察にはもってこいの場所となっています。

ただ、やはり北方向は空が黄色っぽくなってしまっています。

それでも都内に比べれば遥かに暗く、プレアデス星団なども見ることができます。

高滝湖PAに車を停めておけるので便利ですね。

野島崎 (南房総市)

空の暗さ:★★★★☆
アクセスのよさ:★★☆☆☆

最後に紹介するのが野島崎です。

野島崎は房総半島最南端の地点で、南方向には遮るものが何もありません。

千葉県では間違いなく一番暗い場所でしょう。

天の川は肉眼でもはっきり見え、流星もいくつも見られるそうです。

私もいつかは行ってみたいと思っていますが、遠いのでなかなか行けてないです。

興味があったらぜひ行ってみてください。

最後に

今回は東京・神奈川・千葉でオリオン座流星群を見られる場所を紹介しました。

オリオン座流星群はペルセウス座流星群やふたご座流星群に比べれば地味ですが、カラフルで鋭い流星が多いです。

なので写真映えしやすい流星群としても知られています。

天気が晴れていればいくつもの流星が見られるでしょう。

ぜひ都市の光の海から離れて、宇宙の光を見上げてみてください。

では。

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