2025年10月21日、オリオン座流星群が見頃です。
今年は極大日がちょうど新月の日で、これ以上ない最高の条件です。
というわけで、今回は2025年のオリオン座流星群を最大限楽しむポイントを余すことなくお伝えします。
- 流星群はいつ見れる?
- 何時がベスト?
- どこで見れる?
- どんな流星がいくつくらい見れる?
- 流星群の観察のポイントは?
ぜひ最後まで読んでみてください。
Contents
オリオン座流星群とは?
オリオン座流星群は毎年10月下旬くらいに出現する流星群で、その名の通りオリオン座付近から流星が流れていくのが特徴です。
母天体は有名なハレー彗星(Halley’s comet)です。
この彗星は76年周期で太陽の周りを回っていますが、その通り道には彗星が残していった細かな塵や微粒子が帯のように広がっています。
地球がその帯の中を通過すると、宇宙空間に漂う塵が66km/sという猛スピードで地球の大気に突入し、摩擦で発光して流れ星となります。
この速度は流星群の中でもトップクラスに速いです。
三大流星群と比較してみるとこんな感じになります↓
| 流星群 | 平均大気圏突入速度 | 備考 |
|---|---|---|
| しぶんぎ座流星群 | 約 41 km/s | 中速の流星群 |
| ペルセウス座流星群 | 約 59 km/s | 高速な流星群 |
| ふたご座流星群 | 約 35 km/s | やや低速な流星群 |
| オリオン座流星群 | 約 66 km/s | 非常に高速で尾を残しやすい |
オリオン座流星群はトップクラスに速いですね。
なのでオリオン座流星群の流星はシャープで明るく、時には長い光跡や残光(残って漂う光の筋)を伴うことがあります。
また、高温に加熱された大気中の酸素や窒素、そして流星物質に含まれるナトリウムやマグネシウムが発光することもあります。
なので白色や青白色を中心に、緑色やオレンジ色、赤色など多彩な色が見られるのも魅力です。
特に明るい火球クラスの流星では色の変化や尾の構造が肉眼でもはっきりと確認でき、写真や動画ではさらに鮮明に記録されます。
観測の際に意識したいのが放射点です。
放射点とは、流星が空の一点から四方八方に飛び出してくるように見える場所のことを指します。
オリオン座流星群の場合、この放射点はオリオン座の1等星ベテルギウスの少し上に位置します。
ただし、実際には放射点だけを見ていても多くの流星は観測できません。
放射点付近では流星は短く見え、逆に放射点から離れた位置では長い流星が見られます。
なので空全体を視野に入れることが大切です。
オリオン座流星群は10月20日前後にピークを迎えますが、出現期間が比較的長いのでその前後数日間も観測のチャンスがあります。
活動期間は10月2日から11月7日です。
極大は10月20日・21日・22日・23日のいずれかという情報がありますが、オリオン座流星群はピークがなだらかなので極大の日は特に気にしなくてよさそうです。
数日ズレても楽しめるのがいいところですね。
ピーク時には、光害の少ない場所理想的な条件であれば1時間あたり20個程度の流星が見られる可能性があるでしょう。
1時間あたりに見られる流星の数はZHR(Zenithal Hourly Rate)とも呼ばれるので、今回はZHRは20前後です。
10月は空気が澄んで星空観察に適した季節なので、美しい秋〜冬の星空と流星群を同時に楽しむことができるでしょう。
このように、オリオン座流星群は由来・速度・色彩・観測のしやすさのいずれにおいても魅力的な流星群です。
毎年必ず訪れる天文イベントなので、観測条件がいい年は見過ごさないようにしましょう。
では、今年のオリオン座流星群は条件はどうなんでしょうか?
実は2025年は条件が最もいい年なんです!
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2025年は新月で条件最高!
2025年のオリオン座流星群は最高の条件です。
その最大の理由が、極大日と新月期が完全に重なることです。
新月とは月が太陽と同じ方向にあり、地球から見て月の明るい面が全く見えない状態のことです。
夜空に月明かりがないので空は一年のうちでもっとも暗く、肉眼でも淡い星や暗い流星までしっかりと見ることができます。
2025年の新月は10月21日と10月22日で、まさにオリオン座流星群のピーク日と一致しています。
流星群の観測において月明かりは最大の敵といっても過言ではありません。
満月前後の時期にあたると、実際に流星が降っていても肉眼では見えづらいので見逃してしまいます。
特に暗い流星は完全に見えなくなってしまいます。
しかし新月期であれば空が十分暗いです。
なので1時間あたりの観測可能な流星数(ZHR)に近い数を見れるでしょう。
天体写真や動画撮影でも背景の空が暗いため流星がより鮮明に写りやすく、細い尾や色の変化まで記録できる可能性があります。
さらに10月後半は日本列島の多くの地域で空気が乾き、透明度が高くなる季節でもあります。
湿度が低いため光が散乱しにくく、月明かりがない暗闇の中では天の川や微光星までも肉眼で確認できるでしょう。
このような条件下で観測するオリオン座流星群は、まさに「星降る夜」を体感させてくれます。
郊外や山間部など光害の少ない場所に足を運べば1時間に10個から20個、運が良ければそれ以上の流星に出会えるかもしれません。
つまり、2025年はオリオン座流星群の極大と新月が一致するという稀な条件が整った年なんですね。
次に同じような条件がそろうのは何年も先になる可能性があります。
貴重な機会なのでぜひ見てみてください。
放射点はどこ?
これからは実際にどこから流星が飛んでくるかを解説します。
*使っている星図はすべて星図アプリ Sky Guide からとりました。
オリオン座流星群の放射点はオリオン座とふたご座の境界あたりにあります。
ここらへんですね。

ベテルギウスから東に進んだ位置に放射点があります。
拡大するとこんな感じです。


オリオン座のベテルギウスとふたご座のアルヘナの間あたりにあります。
引きで見るとこんな感じです↓

オリオン座の左上から流星が広がっていく様子がわかると思います。
一等星との位置関係はこんな感じです↓

10/21には木星がふたご座にいます。
ベテルギウスと木星の間だと思えばわかりやすいと思います。
ただ、流星は四方八方に飛んでいくのでそこまで位置を気にしなくていいでしょう。
これは主要な6星座との位置関係です↓

黄色は一等星を示しています。
ベテルギウスの近くだと思えばいいです。
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時間ごとの放射点の位置
ここまでで放射点の位置を解説しました。
次は時間ごとの放射点の位置を見ていきましょう。
位置は東京ですが、札幌でも沖縄でもさほど変わらないと思います。
10/20 23:00

オリオン座は10/20の23時くらいから現れます。
方角は東、高度は19度ほどです。
このときはまだまだ流星のピークではないです。
ただ、放射点から上のほうに流れる流星は見れるかもしれません。
10/21 0:00

この頃になるといよいよ流星群が見え始める感じです。
放射点の方角は東、高度は31度ほどです。
天頂付近を見ていると流星が見えやすいでしょう。
オリオン座流星群はものすごい速さで流れていくのでまばたき厳禁です。
10/21 1:00

この頃になると冬の星座が輝き出します。
方角は東南東、高度は43度です。
まだまだ天頂から遠い位置にいますね。
天頂を見ているのが一番いいと思います。
星景写真を狙うなら南東から南の方向を撮っているのがいいですね。
10/21 2:00

2時になるとさらに放射点が高く上がっていきます。
方角は東南東、高度は54度です。
位置的にはこんな感じです。

四方八方に流星が飛んでいくでしょうが、天頂を見ているのが一番いいと思います。
ただ、天頂をずっと見ていると首が痛くなるので折りたたみ椅子があるといいですね。
10/22 3:00

3時にはさらに放射点が高く昇ります。
方角は南東、高度は64度です。
見上げたときの位置はこんな感じです。

かなり高い位置にいます。
天頂だけでなく、放射点から遠い方向を見ると長い流星が見られるかもしれません。
10/22 4:00

4時くらいには放射点が最高高度になります。
方角は南、高度は69度です。
この頃にはオリオン座も南にいるはずです。
冬の夜空という感じですね。
見上げるとこんな感じです。

ほぼ真上から流星が降ってくる感じです。
このときになると上のほうををなんとなく見上げるだけで流星が見えてくるはずです。
10/22 4:30

4:30から太陽が昇ってきて、徐々に空が明るくなり始めます。
なので4:30が流星を見られるラストチャンスでしょう。
方角は南南西、高度は69度です。
見上げるとこんな感じですね。

やはり天頂の近くにいます。
4時台はぼーっと上を見上げていればいいでしょう。
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双眼鏡や望遠鏡は逆効果!寝っ転がって見よう
流星群を初めて観測する人の中には「双眼鏡や望遠鏡があったほうがよく見えるのでは?」と思う方が少なくありません。
しかし、流星群観測において実は双眼鏡や望遠鏡は逆効果なんです。
理由はシンプルで、流星は空のあらゆる場所に突然出現して一瞬で消えてしまうからです。
なので視野が狭い双眼鏡や望遠鏡では見逃す確率が高くなります。
望遠鏡の視野は非常に狭く、双眼鏡でさえも数度くらいしか見渡せません。
それに対して、肉眼は広い範囲を同時に捉えられるので流星群の観測に最適です。
流星群は目で楽しみましょう。
特にオリオン座流星群は放射点を中心に四方八方に流星が飛び出すように見えるので、空全体を広く見渡すことが観測成功のカギとなります。
双眼鏡や望遠鏡を構えて一点を凝視していると、視野の外で流れた流星のほとんどを見逃してしまいます。
さらに、双眼鏡や望遠鏡をのぞき続ける姿勢は首や腕に負担がかかります。
なので長時間の観測には不向きです。
流星群はリラックスして気長に楽しむものなので楽な姿勢をとりましょう。
観測スタイルとしておすすめなのは、寝っ転がって空全体を見上げる方法です。
レジャーシートやアウトドア用のリクライニングチェア、もしくは車の屋根に寝転ぶスタイルでも構いません。
こうすることで首への負担がなくなり、広い視野を自然な姿勢で見渡すことができます。
この前私が流星群を見に行ったときはしばらく立ったまま空を見上げていたのですが、すぐ首が痛くなってしまいました… > <
レジャーシートか折りたたみ椅子は必須ですね。
寒さ対策としては厚手の寝袋や毛布を用意するといいでしょう。
双眼鏡や望遠鏡をのぞいていたら流星を見逃してしまいます。
2025年のオリオン座流星群は条件が最高なので、正しい観測の仕方で流星群を楽しみましょう。
最後に
この記事では2025年のオリオン座流星群について解説しました。
今年のオリオン座流星群は最高の条件です。
見頃は0時過ぎからなので、夜ふかしして流星群を眺めてみてはいかがでしょうか。
きっと一生の思い出になるはずです。
では。
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