今日スマホの通知を見ていたら、Sky Guide から「明日は遠日点です」と通知がありました。

この図はかなりの誇張ですが笑
遠日点とは地球が太陽から最も遠ざかる日のことです。
「え、なんで太陽から遠ざかるのに夏で暑くなるの?」と思うかもしれません。
逆に、地球が太陽に最も近づく日(近日点)は冬です。
それでも私たちは「夏に暑く、冬に寒い」と感じますよね。
なぜでしょうか?
この記事では「夏至と遠日点」「冬至と近日点」の違いをわかりやすく解説し、なぜ夏が暑くなるのか、冬が寒くなるのかを科学的にひも解きます。
Contents
地球の回転は2種類ある
まず、地球の回転には2種類あることをおさえましょう。
ひとつ目は自転です。
地球は自身がぐるぐる回っていて、24時間で一周します。
これが昼と夜がある原因です。
ふたつ目は公転です。
地球は太陽の周りを365日で一周します。
これが春夏秋冬といった季節がある原因です。
地球の動きは傾いて、そして歪んでいる
地球の運動には2つの大きな要素があります。
- 🌍 自転の回転軸(地軸)が公転方向の法線(垂直に引かれた線)に対して23.4度傾いている
- ☀️ 公転軌道が楕円になっている
難しいですね…
地軸が23.4度傾いているとは、簡単に言うとこんな感じです。

絵心がないですね笑
地球は公転方向に向かって太陽の周りをぐるぐる回っていますが、自転の回転軸は少しずれているというわけです。
また、地球の公転軌道が楕円というのは、1年のうちに最も太陽に近づく日と遠ざかる日があるということです。
地球が最も太陽に近づく日が近日点(今年は1月4日)で、最も遠ざかる日が遠日点(今年は7月3日)です。
夏至と冬至は地軸の傾きが生む現象
では、夏至と冬至とは何なんでしょうか?
違いを比較してみます。
夏至(6月21日ごろ)
- 北半球が太陽に最も傾く日
- 太陽の高さ(南中高度)が一年で最も高くなる
- 昼が最も長い
図に書くとこんな感じです。

日本にとっては太陽が正面に来るような構図です。
冬至(12月22日ごろ)
- 北半球が太陽から最も背を向ける日
- 太陽の高さが一年で最も低くなる
- 昼が最も短い
図に書くとこんな感じです。

日本にとっては太陽を背に向ける感じです。
この現象は地軸の傾きが原因であり、太陽との距離とは無関係です。
反対に、南半球では夏至が冬、冬至が夏になります。
不思議ですね。
オーストラリアではクリスマスに海でサーフィンをしている人がいるそうです。
遠日点と近日点は太陽との距離の違い
地球の公転軌道は完全な円ではなく、少し歪んだ楕円です。
近日点(1月4日ごろ)
- 地球が太陽に最も近づく日
- 距離:約1億4700万km
遠日点(7月4日ごろ)
- 地球が太陽から最も遠ざかる日
- 距離:約1億5200万km
差は約500万km。太陽との平均距離(1億5000万km)から見れば、たった3%程度の差です。
なので暑さはほとんど変わりません。
「夏=遠日点」「冬=近日点」の謎を解く
ここで多くの人が疑問に思います。
「太陽から遠ざかっているのにどうして暑いの?」
その答えはこうです:
地球の気温を決める主な原因は太陽光の角度と昼の長さ
- 夏至の頃は太陽が高く昇り、真上に近い角度から照らしてくる
- 日照時間も長く、地面がたっぷりエネルギーを吸収する
- これが夏の暑さの本当の原因
つまり「太陽に近い=暑い」ではなく、角度と時間の問題なんです。
「じゃあ夏至が一番暑い日なんじゃないの?」と思うかもしれませんが、地表や海水が暖まり切るのはおよそ1ヶ月後なんです。
少しタイムラグがあるんですね。
同様に、
- 冬至の頃は太陽が低い位置を通り、南中しても角度は低いまま
- 日照時間も短く、地面が吸収するエネルギー量が少ない
- これが冬の寒さの本当の原因
冬もタイムラグがあるので、一番寒いのは1月終わりくらいになります。
実は遠日点が夏、近日点が冬なのはたまたま
これは意外かもしれませんが、遠日点が7月で夏、近日点が1月で冬なのはたまたま今の時代の話です。
太陽系では近日点移動が起きていて、重力の影響により近日点や遠日点が少しずつずれていきます。
例えば地球の近日点は今は1月ですが、数千年後には2月や3月の方にずれていくと予測されています。
「遠日点は夏、近日点は冬」は今だけの話なのかもしれません。
まとめ:似ているようで全く違う「夏至」と「遠日点」
| 比較項目 | 夏至・冬至 | 近日点・遠日点 |
|---|---|---|
| 原因 | 地軸の傾き | 軌道の歪み |
| 主な影響 | 昼の長さ、太陽の高さ | 太陽との距離 |
| 季節への影響度 | 非常に大きい | 小さい |
| 位置関係 | ゆっくりと日付が遅くなっていく | ゆっくりと日付が遅くなっていく |
空の奥にある「地球の旅」に思いを馳せて
私たちが毎年感じる四季の移り変わり。
それは地球が傾きながら、そして少し歪んだ楕円軌道を描きながら太陽の周りを旅しているからこそ生まれるリズムです。
「今日は暑いなぁ」と思ったときは北半球が太陽の正面に向いている季節です。
反対に、冬至では太陽は低く、昼は短くなります。
私たちが意識していないだけで、宇宙の仕組みは暮らしのすぐ隣にあります。
疲れたときは天文の話を調べてみてください。
想像以上に面白いですよ。
では。
















