裏話

星景写真を撮りに行ったらデジカメのSDカードを忘れた話

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星空撮影のため完璧な準備をして出発したはずが…

ある6月の夜、天体撮影に最適な条件がそろっていました。

天気予報は快晴、湿度も低く、月は夜中に沈む予定。

これは絶好の撮影チャンスだと思い、私はカメラバッグを丁寧に確認しながら準備を整えていきました。

赤道儀、バッテリー、予備電池、レンズ、予備のケーブル、三脚……

「あとは、現地で組み立てるだけ。完璧だ。」

そう思って私は星景写真で有名な野辺山へ向けて出発しました。

標高が高く、空気も澄んでいる野辺山は私のお気に入りの遠征地のひとつです。

期待に胸をふくらませ、電車に乗りながら「どんな構図にしようかな」とワクワクしていました。

いざセッティング完了…と思いきや

現地に到着した私は、慣れた手つきで機材を組み立てました。

上を見渡すと快晴の青空で、天気予報も一晩中快晴の予報でした。

たまたま近くに鳥がいたので Nikon Z6II で撮ったところ、

「デモモードです」

……????

嘘でしょ……SDカードが、ない。

カメラのSDカードスロットを開けたら、あるはずのSDカードがありませんでした。

信じられない思いで、カメラバッグをひっくり返して探します。

ケーブルポーチも開け、カメラの予備バッテリーが入っているポーチも開け、それでも見つからない。

「ああ、そういえば……」

前日の夜、撮影データをPCに取り込んだあとSDカードを机の上に置いたままだったことを思い出しました。

普段はカメラに挿しっぱなしにしていたので、まさか取り外したまま忘れるとは…。

完全にやらかしました。

民宿の方のひと言がすべてを変えた

あまりにショックだったので、宿に戻って民宿のご主人に事情を話しました。

すると、ご主人が「それならうちのカメラ用のSDカードがあるけど……使ってみますか?」と声をかけてくださったのです。

「えっ、本当ですか!?」

見せてくれたのは、Sandiskの64GBのSDカードでした。


十分すぎるほどの性能です。

「帰るときにデータを抜いて返してくれれば大丈夫ですよ」と言ってくださりました!

遠慮しながらも、ありがたくお借りすることにしました。

そして夜になり、私の頭上に現れたのは満天の星々でした。

夜中になり月が沈むと天の川が肉眼ではっきり見えるほど濃くなり、5等星まで見えました。

野辺山の夜空は本物です。

そして星空に向かってシャッターを切りました。

聞こえるのは静かな風の音と、Z6IIのシャッター音。

私は感謝と安堵の気持ちを胸に、ひとつひとつ丁寧に星の光を記録していきました。

あの夜撮れた1枚は宝物

貸していただいたSDカードで撮れた天の川の写真は私にとって単なる1枚の写真ではなく、「人の優しさで撮れた奇跡の1枚」です。

撮って出しですでにこれなので、野辺山の夜空がいかに美しいかがわかると思います。

機材や天気だけではなく、人との出会いもまた星景写真の一部なんだと実感しました。

空の美しさと人の心の温かさが重なった、忘れられない夜になりました。

民宿のご主人には深く感謝しています。

忘れ物を防ぐためのチェックリスト

この出来事以来、私は撮影前の持ち物チェックを徹底するようになりました。

スマホのメモアプリに「SDカード」「電池」「フィルター」「アダプター」などをひとつずつ登録し、必ず一つずつチェックしてから出発するようにしています。

このときは「カメラにSDカードが入っているだろう」という甘い確認ミスで忘れ物をしてしまいました。

星景写真は準備のミスが致命的になるジャンルです。

だからこそ些細なことでも油断は禁物です。

みなさんも「カメラに入ってるから大丈夫」と思わず、出発前に一度カメラを立ち上げて確認することをおすすめします。

星空は人と人をつなぐ

SDカードを忘れるなんて恥ずかしい話ではありますが、そのおかげで私は人の優しさに救われ、思いがけない形で最高の一夜を過ごすことができました。

特にこのときはソフトフィルターを使わずに夏の天の川を撮影した最初のときであり、天の川の繊細さに感動した瞬間でした。

星空を撮る旅はただ美しい写真を撮るだけでなく、その土地での出会いや出来事までもが大切な記憶になるんだなと感じます。

次に野辺山に行くときは忘れ物ゼロで、また満天の星に出会えることを願っています。

みなさんにもいい人との出会いがあるといいですね。

では。

私が使っているおすすめのSDカード↓

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