冬の夜空は賑やかです。
一等星が7つ以上あり、都会からでも簡単に星が見えます。
そこで、今日は都会に住んでいても気軽に楽しめる冬の天体「オリオン大星雲」の見つけ方と、双眼鏡での観察を最大限に楽しむコツを徹底的にご紹介します。
都会の明るい空でも、ちょっとした工夫と準備で驚くほど美しい星雲の姿を目にすることができます。
冬の夜空を見上げて宇宙の神秘に触れてみましょう。
Contents
まずは知っておきたい!オリオン大星雲とは?
オリオン大星雲はオリオン座の中に位置する、非常に明るく巨大な星形成領域です。
写真に撮るとこんな感じです。

地球からの距離は約1344光年。
宇宙のスケールでは比較的近く、私たち人間の目でもその存在を感じることができます。
暗い場所であれば、肉眼でもオリオン大星雲の光を見ることができます。
この星雲の中では、今まさに新しい星たちが誕生している最中です。
双眼鏡や小型望遠鏡で観察すると、まるで白い雲が漂っているような美しく神秘的な姿を見ることができるのが魅力です。
星雲の中心部には「トラペジウム星団」という若い星たちの集まりがあり、これらが星雲を照らす光源になっています。
双眼鏡でオリオン大星雲を観察する魅力
星雲を見るなら高価な天体望遠鏡が必要だと思われがちですが、実は双眼鏡でも十分に楽しめます。
双眼鏡観察のいいところは、
・手軽に持ち運べる
・広い視野で星座全体を眺められる
・使い方が簡単で初心者にも優しい
などなどです。
特に都会では天体望遠鏡を持ち出す場所探しが大変だったりしますが、双眼鏡なら自宅のベランダやちょっとした公園でもOKです。
実際、私も横浜市内の自宅のベランダからオリオン大星雲がはっきり見えました。
オリオン大星雲は非常に明るい天体なので、多少の光害があっても意外と見えるんですよ。
観察に必要な道具と準備
オリオン大星雲を双眼鏡で楽しむために用意しておきたいアイテムを紹介します。
双眼鏡
おすすめは7-10倍の倍率で、口径(対物レンズの直径)が30mm以上のもの。
倍率が高すぎると視野が狭くなって星座を見つけにくくなるので、初心者は8×40タイプがベストです。
おすすめは私が使っている Nikon Action EX 8×40 CF です。
扱いやすく星がシャープで、まるで夜空の海に出かけているような感覚になります。
Nikon Action EX 8×40 CF は接眼レンズにセットされているアイカップを繰り出すことができて、周囲の光をカットできます。
これが最高なんですよね。
ぜひあなたにも都会から見る夜空の冒険を体感してほしいです。
この双眼鏡なら月や野鳥観察にも使えるので持っておいて損はないと思います。
詳しいことはこの記事でも書いています↓
星図アプリ
星座の位置を確認できるツールは必須です。
無料アプリ Sky Guide をスマホに入れておけば夜空の世界を案内してくれます。
防寒対策
冬の夜空観察は冷えとの戦いです。
ダウンジャケット、手袋、ネックウォーマー、ホッカイロなどでしっかり暖かくして出かけましょう。
オリオン大星雲の探し方
それでは、オリオン大星雲を見つけるためのステップを初心者にもわかりやすく詳しく説明していきます。
まずはオリオン座を見つけよう
まずは冬の定番、オリオン座を探します。
こんな感じです。

オリオン座はとても目立つ星座で、砂時計のような形をしています。
左上に赤い星ベテルギウスがあり、右下に青白い星リゲルがあります。
その中心で一直線に並んでいる三つの明るい星「三ツ星」(アルニタク、アルニラム、ミンタカ)が特徴です。
三ツ星を見つけたら、すでにもうゴールは近いです。
三ツ星のすぐ下をチェック
三ツ星の下側には、縦に並んだ小さな星たちがあります。
「小三ツ星」と呼ばれています。
その中心にふわっとした光のにじみが見えるはずです。
それがオリオン大星雲です!
残念ながら、肉眼だとほぼモノクロにしか見えません。
ですが光がゆらゆらしている様子を実際に見ることができます。
まさに「今まさに星が生まれている」という雰囲気ですね。
こういうものが見えたらそれはオリオン大星雲です。

ただ、周囲に広がるもやっとしたガスまでは見れないかもしれません。
中心部は都会からでもバッチリ見えますが、その周りの淡いもくもくは暗い場所に行ったほうが見えやすいと思います。
双眼鏡でじっくり観察
ここまで来たら、双眼鏡を覗きながらピントをしっかり合わせて観察します。
視界の中心に白っぽく広がった星雲と、その内部で輝く星たちを見つけることができるでしょう。
中心付近に複数の星が密集しているのがトラペジウム星団です。
ここまで見えたら大成功です。
見つけられないときは?
実はオリオン大星雲を双眼鏡で見つけるのはかなり難しく、私も10分以上かかりました。
まずはオリオン座の方向に双眼鏡を向けて、三ツ星が見つけてください。
左右に双眼鏡を動かして明るい3つの星が一直線に並んでいたら三ツ星です。
その三ツ星から視線を徐々に下におろしていくと、小三ツ星が見つかると思います。
その真ん中にあるもやもやがオリオン大星雲です。
かなり難しいので根気よく、焦らず見ていきましょう。
都会でよりよく見るためのコツ
オリオン大星雲をよりきれいに見るために、少しだけ工夫してみましょう。
・できるだけ明るい街灯を避ける
・オリオン座が南の方角に上がる頃に観察するのがおすすめ
・月明かりのない日を選ぶ
・目を暗い場所に慣らす
最初は思うようにオリオン大星雲が見られないかもしれません。
ですが、どんな人でも最初は手こずるものです。
それを乗り越えてオリオン大星雲が双眼鏡で見れたときの感動はどんなものにも代えられないですよ。
双眼鏡で夜空をもっと楽しみたい人へ
せっかく双眼鏡を持ち出すなら、オリオン座周辺の他の天体にも目を向けてみましょう!
すばる(プレアデス星団)
冬の夜空で特におすすめなのがすばるです。
おうし座とペルセウス座の境界あたりにいます。
暗い場所であれば肉眼でもはっきり見えるほど明るいですが、都会からでは肉眼では見えないかもしれません。
ですが双眼鏡を使えばはっきりと見ることができます。
ヒアデス星団
次におすすめなのがヒアデス星団です。
これは簡単に見つけることができます。
オリオン座のさらに右上に、明るくて赤っぽい星がありますよね。
それがアルデバランという星です。
その星を見つけたら、その周りにヒアデス星団がいます。
ぜひ双眼鏡を向けてみてください。
あなたも夜空の美しさの虜になるはずです。
警告!絶対に太陽を見てはいけない
ここで、ひとつだけ気をつけてほしいことがあります。
それは、双眼鏡で太陽を見てはいけないということです。
双眼鏡は集光力が肉眼の数倍以上あります。
多くの光を集める設計になっているので、それで太陽を見てしまうと失明の恐れがあります。
特に何も知らない子どもが双眼鏡で太陽を見てしまい、失明になった事例があります。
日中の観察では絶対に太陽の方向を見ないようにしましょう。
まとめ
オリオン大星雲は双眼鏡さえあれば、都会の明るい夜空でも十分楽しめる貴重な天体です。
三ツ星を目印にふわりと浮かぶ星雲を探し当てたときの感動は、何度味わっても飽きることがありません。
この冬、ぜひ防寒対策をしっかりして夜空を見上げてみてください。
宇宙を身近に感じる最高の体験があなたを待っています。
家族や友達と一緒に夜空の宝探しをしてみてください。
きっと一生の思い出になるはずです。
では。