星の見かた

「双眼鏡で月を見てはいけない」は間違い!安心して月の観察を楽しもう

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「双眼鏡で月を見てはいけない」

そんな言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?

「目に悪い」

「視力が落ちる」

「危険だ」

など、不安を煽るような噂も耳にします。

しかし結論から言います。

双眼鏡で月を見るのはまったく問題ありません。

安心して、そしてむしろ積極的に双眼鏡で月の世界を楽しみましょう。

この記事では「なぜ安心なのか」「どうやって楽しめるのか」をたっぷりとご紹介していきます。

なぜ「双眼鏡で月を見るのは危ない」と言われるのか?

この誤解にはある背景があります。

それは、太陽観察の危険性と混同してしまったためです。

太陽を直接、双眼鏡や望遠鏡で見るのは危ないです。

想像以上に強烈な太陽光がレンズによって集光され、網膜を一瞬で焼いてしまう危険があります。

これは本当に怖いことで、最悪の場合は失明に至ることさえあります。

そのため、天体観察において「双眼鏡や望遠鏡で太陽を見るのは絶対にダメ!」という鉄則があるわけです。

しかし、月は太陽とは違います。

月は太陽のように自ら光っている天体ではなく、あくまで太陽光を反射して輝いているだけです。

その光は眩しく感じることはあっても、目に直接ダメージを与えるほどの強さではありません。

つまり、「双眼鏡で月を観察しても目を傷める心配はない」ということです。

実際、私も何度も双眼鏡や望遠鏡で月を見ています。

双眼鏡=危険ではありません。

正しく使えば素晴らしい天体観察の相棒になってくれます。

双眼鏡で楽しむ!月面に浮かぶうさぎ

肉眼で見る月は煌々と輝いているだけで、どんな模様をしているのかまではわかりません。

しかし、双眼鏡を使うと月の模様がはっきり見えます。

こんな感じです。

右側の月の模様はうさぎに見えますね。

「うさぎがもちつきしている姿」と言われることもあります。

月が地球を向いている方向は常に同じで、模様は変わりません。

この現象は潮汐ロックと呼ばれています。

地球と月はお互いに引力で引き合っています。

特に地球の重力が月に強い影響を与え、月の自転運動にブレーキをかけ続けた結果、月の自転周期と公転周期がピタリと一致してしまったのです。

つまり、月は地球の周りを1周する間にちょうど1回だけ自分も回っているという状態です。

そのため、私たち地球から見ると月の同じ面だけがずっと向き合ったままになっているのです。

このおかげでずっとうさぎを見ることができるんですね。

双眼鏡で月を見るときのおすすめポイント

では、具体的にどんな双眼鏡を使えばいいのでしょうか?

選ぶポイントをまとめてみました。

倍率は7-10倍がおすすめ

倍率が高すぎると、手ブレが目立って観察しづらくなります。

7-10倍くらいの比較的低〜中倍率のものがバランスがよく、初心者にも扱いやすいです。

対物レンズ径は30-50mmが理想

レンズの直径が大きいほどたくさんの光を集められるため、夜でも明るい像を見ることができます。

星空観察や月面観察には、暗いところでの性能がとても大事です。

集光力はひとえに 対物レンズの口径で決まるので、できるだけ口径は大きいほうがいいです。

安物だと色収差が激しい

安価な双眼鏡の場合、像の周りに紫や緑の色にじみが出現しやすくなります。

これは月の観測において厄介です。

双眼鏡は星空観測や野鳥観察にも使えるので、できるだけ長く使えて性能のいいものを最初に選んでおくと安心ですよ。

詳しいことはこちらの記事で解説してます↓

おすすめの双眼鏡はこれです↓

月観察をもっと楽しむために

さらに月観察を楽しくするためにちょっとした工夫をしてみましょう。

月齢カレンダーを活用しよう

満月、新月、上弦、下弦──月は毎日少しずつ形を変えています。

「今夜はどんな月が見えるかな?」と、月齢を意識するだけでも観察のワクワク感がぐっと増します。

おすすめは、スマホアプリや天文サイトの「月齢カレンダー」をチェックすること。

天気が良さそうな日を狙って双眼鏡を持ち出しましょう。

欠け際を狙おう

クレーターの立体感を一番楽しめるのは満月直前や直後の「欠け際」です。

ここでは光と影がくっきり分かれ、クレーターの凹凸が劇的に見えます。

満月のど真ん中よりも、少し欠けている月のほうが実は観察に向いているんです。

さらに深く楽しみたいなら望遠鏡を使うのもおすすめ

双眼鏡で月面観察に慣れてきたら、次のステップとして天体望遠鏡に挑戦するのも素晴らしい選択肢です。

望遠鏡を使えば双眼鏡では見えなかった小さなクレーターや、月面の細かい地形までくっきりと観察できるようになります。

まるで宇宙船の窓から月を間近で眺めているような、圧倒的な臨場感を味わえるでしょう。

おすすめなのは、最初はシンプルな入門用望遠鏡から始めること。

高価な機種でなくても、月を見るだけなら十分すぎるほどの性能を発揮してくれます。

おすすめは日本製のこの機種です。

もちろん、双眼鏡と望遠鏡はそれぞれ違った魅力があります。

広い範囲を一望できる双眼鏡、ディテールをじっくり追える望遠鏡。

両方を使い分けながら、あなた自身の月面探査をどんどん深めていってください。

双眼鏡で月を見よう!

「双眼鏡で月を見てはいけない」

そんな心配は今日からきっぱり捨ててしまいましょう。

月は双眼鏡という身近な道具を使って、誰でも手軽に楽しめる宇宙の世界です。

大きな機材や専門知識は必要ありません。

晴れた夜にベランダや公園に出かけ、空を見上げるだけ。

双眼鏡をのぞき込んだその先には、肉眼では見えない神秘的なクレーターの世界が広がっています。

さあ、次の晴れた夜にはぜひ双眼鏡を手にとって月の表面を旅してみてください。

そこにはあなたの知らなかった新しい宇宙が待っています。

では。

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