夜空を流れる無数の光の矢――毎年12月中旬にピークを迎える「ふたご座流星群」は、年間でも最大級の流星数を誇る特別な天体ショーです。

冬は空気が澄んで星がきらめく季節。

条件さえ揃えば1時間に100個以上の流れ星が見えることもあります。

そこで、この記事では美しい星空に恵まれた長野・山梨・静岡の3県に注目して

  • おすすめ観測スポット
  • おすすめホテル
  • 観測のコツ
  • 当日の天気情報

を一気に解説します。

冬の夜は冷え込みますが、そのぶん透明度の高い空が期待できます。

しっかり準備して最高の流星群を体験してみてください。

この記事を参考にして記事を書かれる場合はぜひリンクを貼っていただけると助かります。よろしくお願いしますm(*_ _)m

ふたご座流星群とは?

ふたご座流星群はしぶんぎ座流星群・ペルセウス座流星群と並ぶ三大流星群のひとつであり、毎年12月中旬に最も活発な活動を見せる流星群です。

毎年数多くの流星が現れるので天文ファンにとっては冬の風物詩ともいえる流星群ですね。

一年のなかでもトップクラスの観測条件と流星数を誇るので、「初心者でも必ず感動できる天体ショー」として多くの人が楽しみにしています。

母天体は小惑星

流れ星の正体は、宇宙空間に漂う微細なチリやかけらが大気に突入して光る現象です。

ほとんどの流星群は彗星が母天体(流星群の起源)ですが、ふたご座流星群は珍しいことに小惑星由来です。

その正体は小惑星3200ファエトンという天体で、もともと彗星だった可能性も指摘されています。

太陽へと深く近づく軌道の中で高熱にさらされて塵を放出し続け、それが地球と交差する位置に塵の帯として残されているのです。

地球が毎年この塵の帯に突入する12月中旬、夜空に無数の光跡が走ります。

活動が安定していて「当たり年」が続く

ふたご座流星群の特徴のひとつが出現数が安定していることです。

年ごとに「当たり外れ」の変動がある流星群も多いですが、ふたご座流星群は違います。

月明かりがない限りは

  • 多くの流星
  • 明るい流星
  • 一晩中楽しめる放射点の高さ

が毎年期待できるため、「外れが少ない流星群」として知られています。

観測条件によっては1時間に100個以上見えることもあり、条件が良い場所では1分に1つ以上のペースで流れ星に出会えることも珍しくありません。

夜の早い時間から楽しめる

流星は空のどこにでも現れますが、道しるべとなる「放射点」はふたご座カストルの近くです。

ここですね↓

この放射点は真夜中より前から高く昇るため、夜の21時頃からすでに見頃になります。

詳しくはこの記事でも書きました↓

多くの流星群は深夜や明け方に数が増える傾向がありますが、ふたご座流星群は家族連れや初心者でも楽しみやすい時間帯からピークに迫るので観測のハードルが低いのも人気の理由です。

明るい流星が多く、街中でも見やすい

冬の空は冷たく澄んでいるため星がよく見えますが、ふたご座流星群は特に明るい流星が多いことで知られています。

それにより、

  • 都市部の空でも意外と見える
  • 光害の少ない郊外なら壮大な光のシャワー
  • 山間部や高原なら天の川レベルの星空に流星が走る

という楽しみ方ができます。

もちろん、より暗い場所に行くほど観測できる流星の数が増えるでしょう。

観測のコツは寝転んで「空を全部」見る

よく「ふたご座の方向をずっと見ていればいいんですか?」という質問をいただきますが、ふたご座はあくまで流星が出てくる場所であってどこに流星が走るかはわかりません。

なので空全体をまんべんなく眺めるのがコツです。

ただ、ずっと立って上を向いているとすぐに首が疲れてしまいます。

なので折りたたみ椅子を買ってゆったりしながら空を眺めるのが一番いいです。

ひとり一個は持っておくといいでしょう。

私のおすすめはこの椅子です↓

さほど値段が高くないのに頑丈でしっかりしていて、畳むと小さくなるのでおすすめです。

冬だけが見せてくれる、最高の星空体験

ふたご座流星群は単なる天体現象にとどまらず、一年の終わりに訪れる宇宙からの贈り物です。

頬を刺す冷気、静かな夜の闇、そして漆黒のキャンバスに描かれる光のきらめき。

ゆっくりと流れ星を数えながら、心が解きほぐされていくような時間。

冬は寒さが厳しいですが、その分透明度が抜群になる季節です。

ぜひ、この季節にしか体験できない感動を味わってください。

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今年のふたご座流星群は?

2025年のふたご座流星群は条件はいいのでしょうか?

結論から言うと、今年のふたご座流星群は好条件といえる年です。

まず注目すべきは、流星観測の大敵である月明かりの影響が少ないということ。

月齢に目を向けると今年は極大が新月の6日前にあたり、夜空には細く頼りない三日月がかかるだけです。

この三日月は未明の短い時間だけ東の空から昇ってきます。

そのため、観測のピークとなる深夜帯は、月明かりゼロの完全な暗闇です。

さらに詳しく見ると、12月15日は月の出が午前2時過ぎ

つまりそれまでは月の影響が一切なく、空が暗いままです。

月が上がった後も細い三日月は光度が低く、照度は満月の1/4以下です。

満月や半月と比べても、天体観測への影響は極めて小さいレベルであると言えます。

ごく暗い観測地でなければ気づかないほどの控えめな明るさです。

次に極大時刻を見てみましょう。

今年の極大(最も流れ星が多く出現する時間)は12月14日の17時頃で、日本の観測時間帯とは重なりません。

しかし、ふたご座流星群は他の流星群とは違ってピークが幅広く、前後数日間にわたり多くの流星が見られるという特徴があります。

そのため、極大時刻が明るい時間帯に訪れたとしても実際の観測ではほとんど問題になりません。

13日から15日までは驚くほど多くの流星が見えることが期待できます。

ただ、一番心配なのは天気です。

日本海側は冬の天気が不安定で、水蒸気を多く含んだ空気が海側から吹いてきます。

長野県の北側は毎年多くの雪が降ります。

流星群を見るなら長野の南側や山梨、静岡のほうが有利かもしれないですね。

ただ、天気は直前まではわかりません。

多くの流星が見れることを期待しましょう。

また、ずっと立って観測しているとつらいので折りたたみ椅子を用意してください。

長時間の観測がぐっと楽になるのでおすすめです。

私が使っているものはこちら↓

ふたご座流星群の2つの楽しみ方

ふたご座流星群の魅力は「誰でも」「どこでも」楽しめることにあります。

観測スタイルは大きく分けて2つ。

ひとつは都市部や家の近くで気軽に眺める楽しみ方、もうひとつは車で暗い場所へ遠征して極上の星空を体験する楽しみ方です。

どちらが正解ということはなく、それぞれに違うよさがあり、どんな環境でも宇宙からの贈り物を感じることができます。

まず気軽に楽しめるのが、都市部の公園や自宅のベランダ・庭で観測するスタイルです。

普段生活している場所で寝転がったり、温かい飲み物を片手にのんびり夜空を見上げるだけでも意外とたくさんの流れ星と出会えることがあります。

たとえ街の光で星が少なく見えていてもふたご座流星群は明るめの流星が多いため、運が良ければ思わず声を上げてしまうほど鮮烈な光跡が視界を横切ります。

準備もほとんど不要で、日々の忙しさから少し離れて、家族や友人、恋人と過ごすリラックスした時間になるのも魅力です。

一方で、もし足を伸ばせるのならぜひ試してほしいのが暗い場所への遠征です。

都市の明かりが届かない郊外・山間部・海沿いでは夜空本来の暗さがよみがえり、肉眼で見える星の数そのものが桁違いになります。

天の川が帯状に浮かび、星座の形がくっきりと見える世界ではふたご座流星群のポテンシャル最大限に活かされます。

1時間あたりに見られる流星は100個以上になり、「空から星が降ってくる」と表現されるほどの圧巻の光景が目の前に広がります。

また、暗い場所では視界の広さが決め手になります。

流れ星は夜空全体に現れるため、人工灯の少ない環境で広い範囲を見渡せるほど多くの流星を見ることができます。

長く尾を引く明るい流星や色彩豊かに輝く火球など、都市では出会いにくい特別な一瞬にも出会える可能性が高まるのです。

写真撮影をする人にとっても暗い空は最高のキャンバスとなり、思い出を形に残す絶好のチャンスになるでしょう。

どちらのスタイルも魅力に満ちていますが、この記事では特に極上の星空とともにふたご座流星群を満喫したい方に向けて、長野・山梨・静岡の厳選した観測スポットをご紹介します。

遠征しない方は自宅の庭やベランダからでも簡単に見れるので心配しないでください。

ただ、見れる流星の数はやはり遠征したほうが多いですね。

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気になるお天気は?

今年のふたご座流星群の見頃は12月13日から12月15日なので、そのとき晴れていればふたご座流星群が一番よく見られます。

また、前後数日間はふたご座流星群が活動するので見逃してもチャンスがあると思います。

雲量予測にはWindyが一番です。

長野から静岡にかけての予報はこんな感じです↓

この記事を書いているのが12月初めなのでまだわかりません。

ただ、天気がいちばん大事なので曇っていたら多少日にちをずらすのも大事な戦略です。

あとはYahoo!天気tenki.jpも見てみてください。

ここからは実際に長野・山梨・静岡でふたご座流星群を見るのにぴったりの場所を紹介していきます。

暗い場所には星空を撮影している人がたくさんいます。明かりは最小限にして、懐中電灯ではなく足元を照らすヘッドライトを使うようにしましょう。

山間部では熊の出没が増えています。事前に目撃情報を確認したり、熊スプレーを持つのがおすすめです。

冬は路面凍結の恐れがあります。必ず冬用タイヤで遠征するようにしましょう。緊急時に備えてタイヤチェーンも忘れないでください。

長野県内でおすすめのスポット

まずは長野県内でふたご座流星群を見られるおすすめスポットを紹介します。

阿智村

空の暗さ:★★★★☆
アクセスのよさ:★★☆☆☆

最初に紹介するのが、星空スポットとして有名な阿智村です。

ここのいいところは、とにかく色々なホテルがあって星空だけでなく温泉も楽しめるところです。

宿泊する前提であれば素晴らしい場所です。

悪いところは、有名になりすぎた影響で本来の星空を楽しみづらくなっているところですね。

ヘブンスそのはらのナイトツアーは21時で終わってしまうので、ふたご座流星群の本番が始まる前に帰ることになります。

本気で星空を楽しみたい方にはおすすめできない場所ですが、温泉もセットで楽しみたい方にはおすすめです。

おすすめのホテル↓

美ヶ原高原 (松本市)

空の暗さ:★★★★★
アクセスのよさ:★★☆☆☆

続いて紹介するのが美ヶ原です。

普段は車でも行けるのですが、12月は冬季閉鎖中なので専用のバスでしか上に行けません。

なのでアクセスは悪くなっています。

冬は宿泊が前提になると思ったほうがいいでしょう。

ただ、ここは標高が高く空気の透明度が段違いです。

ホテルの明かりが明るい場合がありますが、それを無視できるほどの素晴らしい星空が見れると思います。

実際にこんな写真が撮れました↓

あとは天気次第ですね。

雪が降らないことを祈るしかないです。

私のおすすめのホテルはこちら↓

温泉もあり、豪華な料理を楽しめます。

外に出れば満天の星々です。(冬は寒いですが)

野辺山 (南牧村)

空の暗さ:★★★★★
アクセスのよさ:★★★★☆

最後に紹介するのが野辺山(南牧村)です。

ここは阿智村よりもアクセスがよく、さらに空が暗いので本当におすすめです。

野辺山駅に降りればホテルの送迎があるので、車を持ってなくても行くことができます。

阿智村が有名になりすぎたのであまり存在は知られていませんが、星空ファンの間では聖地と呼ばれています。

実際にこんな感じの写真が撮れました↓

そして何よりも素晴らしいのが、野辺山は冬の晴天率が高いことです。

長野県と山梨県のほぼ間に位置していることから、太平洋側の気候に似ていて冬は乾燥していて雪もそこまで積もりません。

野辺山が私の一押しなのでぜひ行ってみてください。

私のおすすめのホテルはこちら↓

料理が美味しくて星空ツアーもあるのですごくおすすめです。

山梨県内でおすすめのスポット

次は山梨県内でおすすめのスポットをいくつか紹介します。

本栖湖 (富士河口湖町・身延町)

空の暗さ:★★★☆☆
アクセスのよさ:★★★★★

最初に紹介するのが本栖湖です。

富士五湖のひとつですが、河口湖は街明かりがひどいのでおすすめしません。

本栖湖も周りの街明かりを多少受けていますが、河口湖や山中湖に比べれば暗いです。

ここのいいところは、南側に富士山があるので冬の星座と富士山を一緒に撮れることです。

写真撮影をされるのであれば、オリオン座と流星と富士山を一気に撮れる可能性があります。

夢のあるスポットなので興味があればぜひ行ってみてください。

ただ、山間部に近いので熊が現れるかもしれません。

目撃情報を必ず確認してから行きましょう。

おすすめのホテル↓

北杜市

空の暗さ:★★★★☆
アクセスのよさ:★★★★★

続いて紹介するのが、南牧村のお隣の北杜市です。

野辺山ほど暗くはないものの、晴天率が高く多くのホテルが集まっています。

甲府からのアクセスも抜群なのでよければ行ってみてください。

おすすめのホテル↓

富士山五合目は寒さが激しく、車の出入りがあって危険なのでおすすめしません。安全な場所で天体観測しましょう。

静岡県でおすすめのスポット

最後に静岡県でおすすめのスポットを紹介します。

川根本町

空の暗さ:★★★★☆
アクセスのよさ:★★★★☆

まず紹介するのが山あいにある川根本町です。

ここは過去に「澄んだ星空 全国第2位」に選ばれたこともあり、きれいな星空が見れることで知られています。

静岡や浜松からのアクセスも比較的いいのでおすすめです。

おすすめのホテル↓

西伊豆スカイライン (伊豆市)

空の暗さ:★★★☆☆
アクセスのよさ:★★★☆☆

次に紹介するのが伊豆市にある西伊豆スカイラインです。

ここは冬季閉鎖されないので、ふたご座流星群の季節でも駐車場で天体観測できます。

熱海・三島・沼津からならアクセスがいいですが、静岡市や浜松市からはかなり遠いです。

冬季閉鎖されないとはいえ、路面凍結の恐れがあるので必ず冬用タイヤとチェーンを携行するようにしましょう。

あいあい岬 (南伊豆町)

空の暗さ:★★★★★
アクセスのよさ:★☆☆☆☆

最後に紹介するのが伊豆半島の南端のあいあい岬です。

ここは星空の聖地として知られ、周りにはなにもないのでまさに極上の星空を味わうことができます。

ただ、伊豆半島は風が強いことが多いので冬だと耐えられないかもしれません。

覚悟のある人だけ行ったほうがいいですね。

最後に

今回は長野・山梨・静岡でふたご座流星群を見れる場所を紹介しました。

中でも私の一押しは長野県の野辺山です。

野辺山は晴天率が高く、アクセスがよく極上の星空が見られる場所です。

一度行ったら病みつきになると思いますよ。

ぜひ一度行ってみてください。

私のおすすめのホテルはこちら↓

折りたたみ椅子も忘れずに↓

それでは最高のふたご座流星群を楽しんでください!

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