この前書いた惑星直列の記事がとんでもない勢いでバズっています。
「6つの惑星が同時に見れる」というのは一般の人から見てもインパクトが大きかったようです。
そこで、今回は2026年に見れるであろう惑星直列をいくつかまとめてみました。
中でも、5つの惑星が並ぶ惑星直列が3回起きることがわかったので書いてみます。
ぜひ最後まで読んでみてください。
Contents
惑星直列と惑星パレードの違い
夜空でいくつかの惑星が並んで見える現象があります。
この現象は「惑星直列」と「惑星パレード」と呼ばれてどちらも惑星が並ぶ様子を表しますが、実際には少し違います。
誤解を招くかもしれないのでここで少し説明しておきましょう。
惑星直列とは?
まず「惑星直列」とは、太陽系の惑星がほぼ一直線に並ぶ現象を指します。
そのとき、地球から見るとまるで惑星たちが一列に並んでいるように見えます。
しかし惑星たちの並びが完全に一直線になることは稀で、数十年に一度しか訪れません。
惑星は公転しているので、地球と太陽系の他の惑星が同じ平面に並んだタイミングがまさにこの「直列」の瞬間です。
天文学的にいう惑星直列とは完全に惑星たちが並ぶことですが、それは極めて稀な現象ということですね。
ただ、惑星直列は必ず肉眼で見られるわけではありません。
太陽の近くに惑星が集まった場合、昼間に惑星が出てくるので見ることはできないです。
なので惑星直列は「見れるかどうかにかかわらず、惑星がほぼ一直線に並ぶ現象」のことです。
惑星パレードとは?
一方で惑星パレードとはなんでしょうか?
惑星パレードとは、惑星が一列に並ぶというよりも空の中でまるでパレードのように連なって見える現象です。
惑星がある範囲内で並んでいるため、直線的ではなく少し広がった配置になることが多いです。
惑星パレードは惑星直列とは違い、肉眼で見れることが前提です。
視覚的に非常に美しく、まるで惑星たちが空の中を行進しているかのように見えることから「惑星パレード」という名前がつけられました。
この現象は惑星直列ほど厳密に直線を作るわけではありませんが、複数の惑星が並んで見えるので肉眼で楽しんだり写真に撮るには十分です。
このように、惑星直列と惑星パレードにはちょっとした違いがあるんですね。
この記事ではこれ以降、惑星直列ではなく惑星パレードを紹介していきます。
いずれも肉眼で見られるものなので楽しんでください!
*これから登場する画像はすべて星図アプリ Sky Guide からとったものです
6月中旬:木星・金星・水星
まず、2026年の6月中旬には日没直後の西の空に木星・金星・水星が集まる様子を見ることができます。
以下は2026/6/11の20:00の西の空のシュミレーションです:

このように、小さな領域に3つの惑星が固まっています。
惑星直列ではなく惑星パレードですが、特に明るい惑星が狭い領域に集まるので見ごたえがあります。
また、金星の右にふたつ並んでいるのはふたご座のポルックスとカストルです。

カストルは少し暗いですが、左のポルックスは一等星なので問題なく見えるでしょう。
光害が少ない場所を選ぶといいと思います。
8月上旬:水星・火星・天王星・土星・海王星
次に、2026年8月上旬には5惑星による惑星直列が見られます。
日没前の早朝の空に見られる予想です。
いつが厳密な惑星直列の日かわからなかったですが、とりあえず2026/8/1の4:00をシミュレーションしてみました。

黄色の線は黄道(太陽の通り道)です。
2025/8/10には水星・木星・金星・天王星・土星・海王星の6惑星直列が見られました。
このときは木星と金星の代わりに火星が来るような感じですね。
シーズンが来たら厳密な惑星直列の日時も計算されると思います。
要チェックですね。
9月下旬:木星・火星・天王星・土星・海王星
さらに、9月下旬にも5惑星による惑星直列が見られます。
以下は2026/9/21の4:00のシミュレーションです:

黄色い線は同じく黄道です。
この惑星直列の特徴は、月がいない深夜に起きることです。
なので星景写真を存分に撮ることができます。
オリオン座と惑星直列を絡められるのは最高ですね( ˶^ᵕ’˶)b
ただ、あまりにも広がっているので5惑星すべてを写真に収めるのは難しいでしょう。
木星・火星・天王星とオリオン座やすばるを絡めるのが一番いいと思います。
星景写真を撮るのであれば、スマホより一眼カメラとレンズのほうが有利です。
Sonyのミラーレスカメラを持っている人は以下のレンズが特におすすめです↓
ただ、それ以外の人には Nikon Z6II と NIKKOR Z 20mm f/1.8 S の組み合わせを心からおすすめします。
もちろん、撮影だけでなく肉眼で楽しむこともできます。
木星・火星・土星は明るいので肉眼でも見えるはずです。
天王星と海王星は双眼鏡がないときついですね。
天王星の位置はこんな感じです↓

アルデバランとすばるのちょうど真ん中らへんにいるので見つけやすいと思います。
すばるの見つけ方はこちら↓
また、海王星はこの位置にいます↓

土星の斜め右下あたりにいます。
近くに明るい星がいないので難しいですが、頑張って探してみてください。
双眼鏡選びはこちらの記事を参考にしてもらえればうれしいです。
11月下旬:水星・金星・火星・木星・天王星
さらに、なんと11月下旬にも惑星直列がやってきます。
2026/11/21の5:30を Sky Guide でシミュレーションしてみました。

水星・金星・火星・木星のすべてが肉眼で見られるでしょう。
天王星だけおまけみたいな感じですが笑
特に火星と木星は急接近していて見ごたえがありますね。
火星と木星の接近だけでも見る価値があるのではないでしょうか。
11/21の4:00ごろにはこんな光景を見ることができます。

しし座のレグルスと木星と火星が集まっている風景です。
双眼鏡で見たらかなり美しいと思います(*ˊᵕˋ)
私のおすすめの双眼鏡はこれです↓
Q&A
ここまで、2026年の惑星パレードや惑星直列を紹介してきました。
ここではよく聞かれる質問をまとめておきます。
はい。5惑星が直列するものなら8月、9月、11月の3回起きます。
起きません。安心してください。
はい。肉眼や写真で楽しむ分には特定の日にちにこだわる必要はありません。
金星です。金星は肉眼でもひときわ輝いて見えます。
はい。本当に暗い場所なら見えるかもしれませんが、双眼鏡を使ったほうがいいでしょう。
はい。しましま模様が見えるでしょう。タイミングが良ければ大赤斑(大きな赤い斑点)も見えます。
はい。ただ、輪っかが傾いているタイミングを狙わないと見えづらいです。
最後に
今回は2026年に起きる惑星直列を3つ紹介しました。
2026年、5惑星が共演する惑星直列が3回やってきます。
それがこの3つのタイミングです:
- 8月上旬 (水星、火星、天王星、土星、海王星)
- 9月下旬 (木星、火星、天王星、土星、海王星)
- 11下旬 (水星、金星、火星、木星、天王星)
多くの惑星が一気に並ぶ様子は壮観です。
ぜひ早起きして惑星直列を肉眼(または双眼鏡)で見てみてください。
では。


















